花・レッスン・イギリスのフラワースクール・日々の私的な出来事など綴っています。旧ブログ
時々花ブログ
2024年パリオリンピックもノーブーケ!
2024年夏のオリンピックがパリで開催されました。気になっていたメダリストブーケ、やはりエコロジーの観点から無しでした。コストもかかるのでしかたないのかもしれませんが、とても残念。
歴代のブーケが気になり、どこかに写真がないかなと探したらカナダのcbcのサイトに載っていましたのでご紹介しましょう。
https://www.cbc.ca/lite/story/1.7265354
メダリストに送られるこのビクトリーブーケにはいくつかの規定があります。
- 芳香がない事もしくは少ない事。
- 厳しい気象条件にも耐えられること。特に冬開催時。
- 花が傷みにくく丈夫な事。
- 水がなくても数日間持つ事。
- 花はその開催地に関連し、シンボルとなるような選択が望ましい事。
以上のポントを踏まえ、ブーケのデザインは予めオリンピックのコミッティーに提出します。
古代オリンピックでは、オリンピアのゼウス神殿の聖なるオリーブで作られたリースがスーポツや音楽コンクールの優勝者に送られたという記録があるそうです。近代のオリンピックのメダリストブーケを振り返ってみましょう。
1896年 アテネオリンピック
古代の習慣になぞり、ゴールドメダリストにはオリーブ、シルバーメダリストには月桂樹の枝が送られたとの事です。
1908年 ロンドン
本来はイタリアのローマでの開催の予定でしたが、ベスビオ山の爆発によりロンドンへ変更。オーク(ナラの木=どんぐりのなる木)のブーケが送られました。オークはイギリスでは強さと持久力の象徴です。
1984年 ロサンジェルス
地元のフラワーショップ 'Conroy's'によるデザインと製作で、極楽鳥花(バードオブパラダイス)、黄色いオーキット、紫色のリアトリスにカラフルなガーベラ、葉はレザーファンで組まれたアームブーケです。
1996年 アトランタ
フローリストMary Jo Meansによる真夏の花のアソートです。5輪を模るかのように5種類の花が選択されました。ヒマワリ、オレンジのタイガーユリ、鶏頭(セロシア・クリスタータ)、紫のラクスパー/デルフィニウム、白のチューベローズに葉物はマグノリア、ローレル、イワナンテン、そしてオリーブと、アメリカ国産の葉と古代オリンピアで使われた葉のミックスです。ややタイトに組まれており、白と黒のストライプのリボンでオリンピックカラーを象徴しています。それぞれの花にも、忠誠や信義、不朽で永遠な物であり、誇り高く、柔軟性に富み、愛と尊敬の意があります。とても素敵ですね。
2000年 シドニー
オージープランツが主役でした。この辺からは覚えている方も多いのではないでしょうか。赤いワラタをメインフラワーとし、クラスペディア(billy button or drum sticks)、カンガルーポー、フラネルフラワー、ワックスフラワー、そして葉はホワイトオークでややタイトに束ねられたブーケでした。ワラタや葉に存在感があるためボリューミーな花束でした。それらの花材はオーストラリア全土から集められた物との事です。尚、この年は例年より寒く、とくにワラタの花の開花が実にゲームのはじまる3日前であったとの事。花の会社のディレクターであったJamie Creerさんには神様からの祝福があったのでしょう。
2004年 アテネ
古代の習慣を再現。オリーブを束ね5,513個のリースを作られたそうです。さらにビクトリーブーケも用意され、ガーベラ、タンジー、リモニウム(スターチス)、アキノキリンソウ(goldenrod, ソリダゴ)にオリーブとハランの葉で、かなり大きなポージースタイルの花束でした。
2010年 バンクーバー
鮮やかなグリーンのマムを中心に、ヒペリカム、ハラン、レザーファン、ベアグラスで小ぶりにまとめたハンドタイドブーケでした。オリンピックの会場では様々な色が目に入ります。グリーン一色のモノクロマティックなブーケは、インパクトもありとてもフレッシュで目を捉え、素敵なアイディアだったと思います。ブーケ作成にかかわった故Strandbergさんという方は、女性たちを支援するためフラワーデザインを教えており、その研修生たちもブーケ作りに参加していたとの事です。
2012年 ロンドンはピンク、黄色、オレンジとグリーンと色の異なるバラ4種をグルーピングしたチャーミングなハンドタイドブーケでした。葉物はローズマリー、アップルミント、ラヴェンダーに麦で、ハーブ使いがなんともイギリスらしいですね。故Jean Packer氏のショップのフローリストであったSusan Lapworth氏のデザインです。イギリス全土のフローリストリーを勉強している生徒たちによる力作です。ロンドンオリンピックのテーマカラーをつかったメダルのリボンとマッチさせたブーケリボンもお洒落でした!
2016 ブラジルのリオでは持続可能な地球資源を尊重し、ブーケはありませんでした。その代りにリオのロゴの置物がメダリストたちに贈呈されていました。この素材は何であったのか気になる所です。
2020年 東京は2011年の東北大震災の地域で生産された花のブーケでした。ヒマワリは宮城から、岩手からは東京のテーマカラーでもある青のリンドウ、このタイプのリンドウは日本原産でもあります。緑のトルコキキョウは福島から、そして添えられたハランは東京産です。マスコットを付けたちょっとユニークなブーケでしたね。花のチョイスは良かったと思います。
関連ブログ http://act-flower.com/node/481、http://act-flower.com/node/494
2022年 北京ではなんと編み物でできたお花のブーケでした。上海の伝統的な編み物でユリやバラ、オリーブの枝などを編み1,251個のブーケに仕上げたとの事です。
2024年 花の都パリでのヴィクトリアブーケはやはりエコロジー優先で、ありませんでした。
オリジナルの記事と写真は https://www.cbc.ca/lite/story/1.7265354
皆さんの一番好きなブーケはどれでしょうか?
暑い夏、パラリンピックももうすぐ始まります。体調を整え選手の皆さんはベストを尽くしてください!
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英国ナショナルフローリストデー National Florist Day in the U.K.
今年イギリスでは花の業界をあげてのプロモーションイベントが6月1日から8日まで開催されます。
フローリストは皆さんの人生の大切な時に花を提供する裏方として、特別な分野で地域社会に貢献しています。花の生産者から中間卸売業者、資材関係者からリテールの花屋などこの仕事に関わるすべての人達の事をもっと皆さんに知っていただきたいと願い、今年2024年「ナショナルフローリストデー」を6月8日に設定し、プロフェッショナルのフローリストを称える記念すべき日となる予定です。
花屋の仕事って皆さん詳しくご存じですか? 花を束ねているとだけ思っていらっしゃる方が多いとは思いますが、私たちはただ束ねた花を売るだけではなく、様々な目的に対応すべく技術を磨きデザイン力を身に着けるため日々努力を重ねています。まるでマジシャンのように異なる場面により全く違うデザインを作り出すことができるのです。花市場への花の搬入はほぼ24時間、セリ真夜中から、花屋は2時とか3時から買い付けに来ます。花を運ぶのも重労働、重いんですよ。すっかり両腕は筋肉質。店に戻れば冷たい水と花瓶洗いの嵐、水揚げ作業は結構な時間がかかり、終われば床の掃除と仕事はエンドレス! でもね、お花をお届けした多くの方は笑顔を見せてくれます。大きな声では言えませんが悲しみのお花をお届けする時でさえ感謝の言葉となごみの表情を返して下さるんです。この瞬間で眠い時間やキツイ労働の事、指先の痛みなどすっ飛んでしまいます。フローリストたちは花の美しさをお届けすると同時に送り主様のメッセージもお届けする事のできる素敵な仕事です。日夜美しい花を皆さんにお届けする努力を惜しまず、誇りある仕事をするフローリストたちを「花の魔術師たち」と称し大規模な動きを起こしてゆこうとしています。イギリスからは遠い日本からですが、私もイギリスのフローリスト育成学校の関係者でもありますので、このプロモーションを応援しています。
この企画に参加する花の魔術師たち/フラワーマジシャンたちにはガイドラインと共にプロモーションマテリアルが用意されており、HPに利用したりSNSに張り付けたりと、参加者たちの便宜性もとてもよく考えられています。6月1日からアイルランドを含むイギリス全土の様々な花屋でのプロモーションが始まり、花の情報、秘話やアップグレードの秘訣、フラワーショップ内のイベントやお花の無料配布、フローリストのコンペティションなど、ありとあらゆる「ナショナルフローリストデー」に関連するの動きに遭遇する事が出来ます。素晴らしいプロモーション、必ず大成功となるに違いありません。
主催者はThe Florist Trade MagazineとGood Florist Guideの編集者であるCaroline Marshall-Fosterさんです。ダイレクトに情報を知りたい方はFB及びInstaで確認できます。もしロンドン近郊にお住まいでお花にとても興味がある方は、6月8日(土曜日)6:00-9:30am ニューコヴェントガーデンフラワーマーケットで5人のトップフローリストたちのデモンストレーションがあります。今のトレンドと共に様々なテクニックが見れる絶好のチャンスですのでぜひぜひお出かけください!
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スイスフランのトラベラーズチェックの換金
もう35年前に購入したスイスフランのトラベラーズチェックが引き出しにありました。大変!トラベラーズチェックは世界的にも使われておらず、日本でももうどこも取り扱いがありません。今更とは思いましたが、調べてみた所スイスのswissbankers.chという機関に連絡すると換金できる事が分かりました。2022年夏の情報です。
1.メールで連絡 info @ swissbankers.ch (メールする時は間隔を詰めてください)
2.指示に従いチェックの番号を連絡、先方は有効なチェックかどうかを確認します。
3.チェックの端をカットし日本の自分の口座情報と共に先方へ郵送。チェックの端をカットする際番号はかならず見えている事。サインはしてもしなくても。万が一の時の為にチェックのコピーをし手元に保管。指示に従い自分の口座情報はきちんと調べてもれなく入れる事。以下サンプルです。
<Bank details and contacting information>
BANK NAME:
SWIFT CODE:
BRANCH NAME:
ADDRESS of FUCHU BRANCH:
TEL of FUCHU BRANCH: +81-
BENEFICIARY'S ACCOUNT NO: (JPY account)
BENEFICIARY NAME:
BENEFICIARY'S ADDRESS:
TEL of BENEFICIARY: +81-
E-Mail of BENEFICIARY:
<チェックと上記情報の送付先> 引っ越している可能性もあるので、先方から教えられる住所を記載する事。私の場合は下記でした。
Swiss Bankers Prepaid Services AG
Kramgasse 4
CH - 3506 Grosshöchstetten
Switzerland
Attn: * 担当者の名前をいれるとよいと思います。
4.しばらくすると入金されます。入金されたらお礼のメールをいれておくとよいでしょう。
お金はお金です。取り戻せますのであきらめないで良かったです。情報を探すのが大変でしたので記載する事にしました。もしチェックをもっている方がいらっしゃったらできるだけ早くアクションしましょう!
さてさて、古いGBPの古いお札、そしてUSDの沢山あるコインどうするかな。Tipで必要だったので結構あります..困った!
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2024年は暖かく優しいオレンジトーンの Peach Fuzz
今年の色はオレンジとピンクの中間位にあるとても優しい色です。色の説明にはこんなサブタイトルが付いていました。「思いやりがあり何かを育むような、温かい優しさを伝えるソフトなピーチの色合い」真っ先に頭に浮かんだのはポピーのひらひらとした薄く軽やかなお花です。繊細、リラックス、和やかさや温かみを感じるようなイメージですね。様々な事が起きる今日。戦争や天災、あるいは身近にあるよからぬ出来事から一瞬どこか平穏な世界へ心を導いてくれるような気がします。私自身オレンジはとても好きな色です。濃い目のオレンジ色ははつらつとして元気をもたらし、このピーチファズのような淡くソフトな色は和やかな調和が生まれやすいです。子供の頃食べた甘いシャーベットもこんな感じの色だったと記憶がよみがえります。
紹介文ではアパレル・ヘア&ビューティ、そしてインテリアなどの分野に分けての色の使い方のヒントがあります。まずアパレルの世界では、贅沢で心地よい柔らかな手触りのスエード調やベルベット調、キルティング、毛皮のようなテクスチャーから得られる触感の良さ。ヘア&ビューティでは肌を生き生きさせ、目と唇、頬に柔らかな温かみを加え、使う人をより健康的に見せます。ネイルに使えば優しさのメッセージを表現し、ロマンチックで無邪気、そしてスウィートとありました。ホームデコとインテリアではすべてを包み込むような特質が心と体、魂を豊かに。花の世界はどうとらえましょうか。私なりに考えてみた花の世界では、大きな展示会などでは、明るく明度の高い花たちは人々の目を捉え、ひときは輝きを放ち、だれもをハッピーにしてくれるようなデザインにつながると思います。そしてコマーシャル・リテールの世界でもデイリーやカジュアル使いの花束に、あるいはエレガントさを前面に出したウエディングブーケなども素敵だと思います。
ref: https://www.pantone-store.jp/download/COY_2024_Press_Release_JP.pdf
さてさて我がフラワーリストを探してみたところ、なんとなく近い色はありますが、花自体は結構ボリュームがある物が多く、この色の軽いイメージがなかなかみつかりませんんでした。もうすぐ春だからそろそろシフトを替えゆこうかな!ピーチファズの色合いに近いお花たちです。今年もフラワーアレンジメントを楽しんでゆきましょう!
能登半島で起きている大地震による被災者の方々、心よりお見舞いを申し上げます。2日に発生したJAL機と海上保安庁の救援物資を載せた飛行機との大事故には本当に心痛みます。命を落とされてしまった方々へただただご冥福をお祈りするばかりです。
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インターフローラ ワールドカップ2023 花のワールドコンペティション Day3 ファイナル
最終日の午前中は競技者の各ブースにコンペティター本人が立ち、一般の方々と交流をする機会があり沢山の質問があったとの事です。その夕刻はガラディナー(夕食会)があり、ステージ上では昨日のセミファイナリストの審査結果が発表され、10人から5人に絞られ、5名で最後の競技が始まります。
ファイナリスト5名
Hyunghak Kim, Republic of Korea 韓国
Elisabeth Pàlsson, Norway ノルウェー
Nicolaus Peters, Germany ドイツ
Patricia Aguin, Spain スペイン
Elisabeth Newcombe, UK イギリス
ファイナルのアイテムもブラインド(=サプライズ)です。今年インターフローラは創立100年となり、今までの100年間の自然や花々とのかかわり、そして今後の繁栄も願うように100年がコンペのテーマです。「100 years of connecting with nature.100 floral years, celebrating the past 100 years inspiring the future.」 競技は黒の窓枠のようなスタンドが用意され、そこには「100」というのサインがぶら下がっています。そのスタンドに制限時間内にディスプレイを作成する事が内容です。15分間のアシスタントによる花材のチェックが昨日と同じに行われました。ドレスアップしたコンペティター、ここまで上り詰めるトップ5は緊迫した時間の中でもとてもクールに見えます。
ファイナル 9月9日土曜日
タイトル ディスプレイデザイン '100 years of connecting with nature.100 floral years, celebrating the past 100 years inspiring the future.'
時間 45分 規定を読み、デザインをプランして作成
黒のスタンドに各自の花飾りを施す事。尚、100の文字が主となるようにする事。文字に巻きつけてあるライトをつける事。
用意されているフローリストの道具類 ケーブルタイ(結束バンド)、試験管12個、ペーパーカバーのバインディングワイヤー、デザイナーズコード ゴールド、アルミニウムワイヤー ゴールド、アグリフローラルフォーム(オアシス社から出ている環境に優しいフォーム)、グルー(ボンド)、両面テープ
審査の採点のウエィト
テクニック 28
アイディア 26
全体像の出来栄え 25
カラー 21
一人ひとり違うデザイン、そのデザインにより使うテクニックも異なるため、様々な花の置き方を見る事ができました。植物がこぼれ落ちるカスケーディングで、垂れ下がるようにアレンジしたり、縦に長いホリゾンタルであったり、ステムをクロスしてさらに何層にもレイヤリングをかけたもの、太めの枝を使ってのフレーム、また窓枠の両方に縦に添えるパラレルのフレーミングもあります。試験管は12個、花の補水もバランスよくどこにつけるかもテクニックです。点を取るには一つのテクニックでは足りません。いくつかのテクニックを駆使し、オリジナルのデザインを構築する事となります。フローラルフォームが植物でしっかり覆われている事も侮れないポイントです。審査員たちは別室に控えており、会場の様子は一切見る事も聞く事もありません。競技が終わるとネームカードやフラッグが取り外され審査が始まりまり、結果はディナーの後9:30pmに発表です。
用意された花
ヴァンダオーキットの根
リューコスペルマム ブライトオレンジ
パッションフルーツの蔓
グロリオサ
柳の太い枝
エルムレス 黄色
カラー 白
グズマニア 赤
スズメ瓜の蔓
ティファ(蒲の葉)
アマランサス オレンジ
クロコスミア
クレマチス 薄紫
3時の貴公子
リプサリス
カーネーション ピンク
クラスペディア
マム(菊)アナスタシア オレンジ
バラ ラヴェンダー
ニューサイラン
アンスリウム シロシマウチワ
アキレア等
45分で作成された作品はそれぞれに素晴らしく、たいへん美しい仕上がりです。黄色やオレンジを使った選手が圧倒的に多かったです。これはやはりゴールドに輝く100にハーモナイズさせたもの、そしてお祝いという華やかな雰囲気が伝わる明るい色を選んだのだと思います。
結果
ワールドチャンピオン Nicolaus Peters ドイツ
2位 Elisabeth Pàlsson ノルウェー
3位 Elisabeth Newcombe イギリス
3位のイギリスの選手はとても若いのですが、よく健闘しました。入賞した時はこちらまでも目が潤んでしまいました。私がイギリスでお世話になったLynda先生も審査員として画像に何度も写っていました。ご活躍でとても嬉しく思います。ファイナルや各ブースの様子はfbやInstaでみつけて下さい。お勧めはThe Florist magazineのfbに編集長が特別にブースの内部からクローズアップしたビデオが詳細です。
https://fb.watch/nag9D0jxZE/ ドイツのブース
https://fb.watch/nageuEfaJv/ 韓国のブース
https://static.xx.fbcdn.net/rsrc.php/v3/yY/r/vdlVw4XHnwl.png ノルウェーのブース
あっと言う間の3日間。自宅のモニターでオンライン観戦でしたが、とても有意義な日々でした。多くのデザイナーのワークショプも開催されていました。ご参加の方も楽しい時を過ごされたと思います。
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インターフローラ ワールドカップ2023 花のワールドコンペティション Day2 セミファイナル
Heat4(Task4)までの審査が終わりコンペティターは20人から10人に絞られます。10人のセミフアイナリストたちの発表がステージであり、同じステージ上で2日目の最終競技が始まります。
セミファイナリストの10名です。
Patricia Aguin,Spain スペイン
Stephane Chanteloube,France フランス
Jennifer Thomasson, USA アメリカ
Elisabeth Palsson, Norway ノルウェー
Attila Nemeth, Hungary ハンガリー
Elzabeth Newcombe, UK イギリス
Katharina Albrechtsen, Denmark デンマーク
Hyunghak Kim, Republic of Korea 韓国
Nicolaus Peters, Germany ドイツ
Melissa Smedes, The Netherlands オランダ
ステージ場でのアイテムはハンドタイドブーケです。ブラインド(=サプライズ)でコンペティターには内容は知らされず制限時間内にその場でアイディアを考え作品を作る競技となります。蜂のテーマの時もサプライズでしたが、今度は作成時間がたったの45分。花材を選び、パッキングを外し葉を整理し作成です。花器は2タイプ用意されており、どちらかを使う事が出来ます。プレゼンテーション/ディスプレイも大事ですね。
まず15分間はアシスタントによる花材のチェックです。リストを基に漏れがないかどうかダメージがないかどうかの確認です。花材・資材はすべての選手に平等に揃っていなければなりません。その後選手たちには15分のプランニングの時間を与えられます。皆さんしっかりとスケジュール(作品の規定)を読み込んでいます。舞台上での競技となり緊張もピークですね。
Day 2 セミファイナル 9月8日金曜日
タイトル ハンドタイドブーケ Handtied bouquet 'Our magnificient meadows' 美しい草原をイメージしたブーケの作成です。
詩は 'Deep in the meadow under the willow, a bed of grass, a soft green pillow.'Suzanne Collins 柳の下には牧草が広がり、寝っ転がればやわらかなベッドにグリーンの枕!こんな情景からの作品はどんな風になるのでしょう。
時間 15分の考慮時間を経て45分
サイズ 大きさにリミットはなくデザインは自由
花器 グラスの丸いコンテナもしくは黒のフラットプレートから、どちらかを選択 花器を含めた作品が審査対象
テクニック バインディングポイント(紐をかける位置)は必ず1か所である事
審査員が作品を持ちあげて審査できる事
用意されているフローリストの道具類 紐(染めていないもの)1ロール、ペーパーカバーのバインディングワイヤー
この競技種目の審査のウェイトはまずアイディアに置かれます。与えられたタイトルを連想できるものが望ましいです。テクニックも重要です。パーフェクトなスパラルブーケはバンラスがよく、視覚的にも安定をもたらすものでなくてはなりません。どんな形のブーケであってもバランスが取れたブーケは机の上で立ちます。
競技が始まり、英国の選手はすぐに花瓶を拭きだしました。私の行ったイギリスの学校では仕事をする環境を含め花器もすべてが綺麗でなければならないと教えられています。最初に花器をチェックするのは基本中の基本です。些細な事ですが作品を美しく見せる事につながります。何人かのコンペテイターはフレームを作りました。柔らかいステムなどはフレームがあると格段にやりやすくなります。アメリカはホリゾンタルに広げたフレーム、フランスはウィローをまとめたフレームでした。私の注目しているノルウェーの選手はストレートな茎を長く使い、フォーカルポイントを上にあげています。バインディングポイントがかなり下の為、これはとても難しいはず!大舞台でこのデザインは素晴らしい。ハンガリーの選手は大きなサイズ。デンマークは紫陽花の花を留めに使って上部はトランスペアレンシー。韓国は三角形の大きなフレーム。う~んスピードもあり上手。ドイツはすごく上手。何もかもバランスが良いです。オランダはドーナツ型のストラクチャーです。それぞれが違うスタイル、違う花。観客席からは多くの声援が飛び交っていました。もう画面の前で朝らから私は大興奮状態!この中からファイナリスト5名が選出されます。明日の舞台が楽しみです。
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インターフローラ ワールドカップ2023 花のワールドコンペティション Day2
2日目は3つものタスクがありとてもタフな日です。
Day 2 Heat3 9月8日金曜日
2人の為のテーブルセッティング
タイトル Table for two 'Our Ocean Waves' 海の波をイメージして2人の為のテーブルセッテイングです。詩は'Dance with the waves, move with the sea, let the rhythm of the water set your soul free' by Christian Matten. こんな詩からはどんな作品になるのでしょうか。それぞれの解釈は大きく異なりとても作品をみるのが楽しみです。
時間 2時間
広さ 2mx2mx2.4mH
全体の2/3は植物(ドライも可)を使用する事
作品の骨組みは予め個々に用意し会場のブースにセットされています。なんと1月から準備しているとの事です。この作品の審査ではテクニックにウエイトがおかれているとの事です。アメリカの作品は色のグラデーションが美しく、香港のストラクチャーはらせんを横にした形で、見ただけでウエーブを感じます。ベトナムもなかなかよい感じで動きがよく感じ取られます。やはり私の目を捉えたのはノルウェーの作品でした。オスロの浜辺にある子供が遊ぶ遊具からヒントを得たそうです。
各ブースにあるストラクチャーを見るだけでも大変勉強になります。皆さんも、もしこんな機会があったらぜひお出かけになるといいと思います。現地に行っていないので写真をアップする事ができませんが、SNSで#interfloraworldcup2023で沢山の写真がシェアされていますので探してみて下さい!
トップの写真はSatoko Suganuma-Shakespeareさんからお送りいただきました。
Day 2 Heat4 9月8日金曜日
ブライダルデザイン
ウェディングで持ったり身に着けたりする事ができるデザイン。何を作るかはコンペティター次第です。尚、シチュエーションのセッティングは雲の上となっており、雲を連想させるような作品が求められています。アイディアとテクニックが審査ではより重要なポイントとなるようです。限られた資源を持続するために、それらが無駄にならないよう、あるいは地球の負担にならないようなテクニックが要求されています。チューブを使ったトランスペアレントであったり、ハンドタイドで組むブーケであったり。グルーイング/ペースティング(土台にボンドを使って張り付ける)などのテクニックが見られました。色、作品全体の形、ボリューム、ラインやテクスチャーなどすべてを考慮しなければなりませんので、どの作品作りも大変です。
タイトル 'Our clouds' Bridal design to be carried at a wedding ceremony, taking place above the clouds. 雲の上でのウエディングセレモニーにて身に着けたり手に持ち歩くことのできるデザイン。詩は 'Clouds are the imagination of the sky' by Terry Gilmets
時間 90分
全体の2/3は植物(ドライも可)を使用する事
この作品もあらかじめベースとなる骨組みを用意して持ち込む事が出来ます。壁にかけている物、上から吊るしている物、それぞれが雲とつながっているイメージが分かります。こちらも全体の2/3 はボタニカルなもの、すなわち植物である事が要求されます。面白い事に雲は白い色だけではないんですよね。グレーイッシュな色だって雲の表情。気になっていたノルウェーのElisa Palsson選手、アシストはなんと上海の時のチャンピオンStein Are Hansen氏。磁石を使ったデリケートな作品はどことなく彼の作風とも似ています。ディスプレの方法もモダンでクリスプ!素敵で目が離せませんでした。
Elisa Palsson選手のウェディングデザインはSatoko Suganuma-Shakespeareさん、そしてフィンランドSaija Sitolahti選手の写真は FDBの校長Geoffrey Hughes氏よりお送りいただきました。ありがとうございます。
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インターフローラ ワールドカップ2023 花のワールドコンペティション Day1
イギリス マンチェスターセントラルにて4年に一度のフローリストリーの競技会がありました。オンラインでの配信がありましたので利用しました。世界から20か国の参加があり日本からはHironori KomatsuさんとアシスタントとしてRie Hataさんがご参加です。応援していますので今までの努力を存分に発揮してきてください。
全体のテーマは"Our Natural World" 自然への愛と敬意を意味するもので、人類を抱擁してきた自然を守り、未来への継続を強く願うものです。競技アイテムはファイナルまで6つ。それぞれにテーマがあり、根底には今まであった自然、未来への希望が明確にわかるようになっています。
審査においてはアイディア、色彩、バランスやフローなどを含めた構成が見られ、作品においては環境に配慮され、持続可能なものである事もキーポイントです。
Day 1 Heat1(*Heat=Task)9月7日木曜日
タイトル ’Our Forest Canopy' カノピーとは上から垂れ下がる天幕のようなものです。森林の中にいるようなイメージでしょうか...
時間 2時間
広さ 2mx2m 4mの高さまで 骨組みはそれぞれ自国で作成し持ち込んだものを使います。基本的にはオーガニックいわゆるナチュラルな材料がよいのですが、リサイクルできればプラスチックでもOKとの事。
それぞれの作品は言うまでもなく素晴らしくテーマに沿った作品です。ベトナムの方は肺の形をしたストラクチャーでした。十分な呼吸ができる事を意味するそうです。
配色はブラウンからベージュなど優しい物が流行のようで、目に留まりました。やはりナチュラルなものとマッチしやすいからだと思います。韓国のアーチテクチュアル的なオブジェも作り込みが素晴らしく目を捉えられました。自国の歴史的な建築物からインスパイアーされているようです。ノルウェーのデザイナーがなかなかびっくりです。クローズアップがなくどんな植物/ものを補水に使っているのかが分かりませんが、長く縦に上から下に吊るされたカノピーはとても不思議な感じです。
Day1 Heat2 9月7日木曜日
サプライズで内容はその場で発表されます。これはコンテスタントたちにとっては一番ドキドキですが、中には一番楽しいと英国代表のElizabeth Newcombeさんは言っていました。
タイトル ’Bee in our ecosystem’ 生態系での蜂たちの活躍。蜂は受粉に活躍してくれる大切な昆虫で私たちの食生活におおいに貢献してくれています。こんな詩が読まれました。”Hum of the bees is the voice of the garden” by Elizabeth Lawrence. 庭の情景が浮かんでくるような詩で素敵ですね。
時間 15分の考慮時間を経て90分 15分の準備時間中には花に触る事はできません。
広さ
1.5mx1.5mサイズの鉢の巣のメッシュ部分を模した構造物が準備されており、そこに自由に飾り付けです。花材と資材は準備されたものから選択。全体像の2/3は花や植物を使用し、植物が主体となるように。資材の中で面白い物を見つけました。ワックスで作られた小さな四角いコンテナです。ワックスペーパーもあるとの事です。花は甘く香るエルムレス、オレンジ色のヒマワリ、ダリアなど蜂の好きそうなものが沢山です!
テクニックも人それぞれ、パラレルにクロス、斜め方向のパラレル、トランスペアレントなど様々で現代的です。韓国はユニークなアイディアで構造を分解して縦型に使ったり、女性でもドリルやのこぎりの扱いもお手のモノ!皆さんかなり大胆でダイナミック。全員が同じ資材かと思うくらい楽しめますよ!
配信画面では作品の隅々まで拝見する事はできませんが、それでも私にとってはとても刺激的なイベントです。
写真は Satoko Suganuma-Shakesepeareさんに送っていただきました。ノルウェーの方の作品です。すごく気になるのでリクエストしてお送りいただきました。ありがとうございます。
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英国チャールズ3世の戴冠式を飾った花々
2023年5月6日土曜日 ウェストミンスター大聖堂にてチャールズIII世国王の戴冠式がありました。王室より聖堂に飾られた花についての発表がありました。ゴシック建築の壮大な建物にはどんな花が飾られたのでしょう。
チャールズ国王は豊かで素晴らしい自然を愛し、環境保存にも関心が高く、造園にもに非常に造詣が深い方であります。当然ながら大自然を誇るイギリスやスコットランドの各地域にある英国王立庭園の樹々や英国の様々な地域の花々による装飾でありました。デザイナーは2005年の国王とカミラ王妃の結婚式、また2011年のウィリアム王子とキャサリン妃のウェデイング装飾を担当したShane Connolly氏によるものです。地元イギリス産の季節の植物を持てばどんなスケールの物にでも対応できるとし、今の英国において最も美しい花々を競演させるべくセレクションであったと思います。Connolly氏によると、今回の戴冠式の花飾りは、故エリザベス女王の自然へ賛美と庭園への情熱を受け継ぎ、持続可能な未来を望んでいる国王と王妃ご自身の表れであるとの事です。
花の置かれた場所は4カ所 <The great Alter 大祭壇>・<The Great West Door 東の大扉>・<The Grave of the Unknown Warrior 戦没者の碑>・<The Quire メインシアター>
<The great Alter 大祭壇>
英国にある5つの王立庭園の樹々による花飾りです。シャクヤクやツツジなど花のついている枝が多くみられました。その中には国王の両親であるエリザベス女王とフィリップ殿下により1978年ウィスリーに植樹された赤い葉のブナの樹一対も含まれ、周りにはまだ赤い蕾のままのクラブアップルの枝、ジューンベリー、椿、小さな花を付けた紅葉、ハシバミ(ヘーゼル)。英国王立ブリッジウォーターガーデンからは、古木のツツジにアザレアなどの枝が切り出され、かってのビクトリア女王も楽しまれたのではないかと思われるような樹々が配されました。樹木の葉の色はどちらかというと緑ものよりもパープルかかった赤、オレンジ色、あるいはくすんだ黄色なども多く、花は落ち着きのある赤やピンク、オレンジなどの色合いで、重厚なアビーの雰囲気にマッチしていると感じました。
その他の植物はチューリップ、ラナンキュラス、ポピー、ヒヤシンス、ライラック、ビバーナムなどで、お花のセレクションを見る限りではやはり日本よりちょっと寒いのかなと思われます。花々の色はとてもブライトな赤、オレンジ、ピンク、ライムグリーン、ライトイエローとおちついた樹木の下で華やかな色の競演です。
<The Great West Door 東の大扉>
イチイのツインのトピアリー。その足元には牧草や、黄色い下向きの花をつけるプリムラ(cowslips)、サクラソウやスミレなどが植えられています。これらの飾りはサンドリガムにできるトピアリーガーデンに国王戴冠の記念として移動される予定です。
<The Grave of the Unknown Warrior 戦没者の碑>
イギリスの春の牧草地で見られるカラフルな花が戦没者の碑の周りを囲む飾りとなっており、使われた花は変わらぬ愛を表すローズマリー、月桂樹、ブルーベル、勿忘草、騎士道を表す水仙、黄色のプリムラ、若き日の思い出を表すライラック、2005年のカミラ王妃のウェディングブーケに用いられたスズランとプリムラ(auriculas)などの構成です。尚、春の牧草地の風景を模したカードはゲストたちへの招待状のデザインでもあったとの事です。
<The Quire メインシアター>
セレモニーが執り行われるイタリアン仕様のモザイクが敷き詰められたシアターエリアには、ゴールド、今年流行色でもあるリッチなバーガンディー、紫、ピンクに赤など大祭壇の飾りや床のモザイク、そして国王の纏うローブの色などに合わせられました。尚、すべてのデザインは最初に色を決め、それから見合う花を選択たとの事です。こちらのエリアには国王の大好きなヘレボラス、ハニーサックル、チューリップ、ラナンキュラス、ジャスミン、古代より精霊のシンボルであるオダマキ、葉物はローズマリー、ブナ、月桂樹にハシバミ(ヘーゼル)の葉とスカイ島より持ち込まれたワイルドフラワーの数々などで飾られました。
装飾はすべてフォームフリー、すなわち吸水性のフォームを使用しない形でアレンジされ、セレモニーの後にはチャリティ団体の「Floral Angels」により病院やケアホーム、ホスピスなどに届けられます。カミラ王妃はこの団体のパトロンでもあります。
花を提供した組織は「Flowers from the Farm」という、切り花生産者たちをサポートする小さな非営利団体で、地球にやさしい栽培を続けている生産者とのつながりが深く、デザイナーのConnolly氏により選ばれました。この団体に所属する80の生産者より集められた花々は120種類以上にもなり、限られた時間での水揚げをしての出荷は大変な作業だったと思います。
英国での地球環境への取り組み、およびそれを支持する生産者へのサポート活動は国民へのPRも盛んで、人々の目に留まり関心を集めています。欧米で禁止されている農薬に認可を与える日本とは大きく事なる点であると感じます。写真は著作権の問題がありますので掲載はいたしておりません。下に参照リンクをリストいたしますので、写真は動画などでご覧ください。
References
https://www.royal.uk/news-and-activity/2023-05-04/flowers-at-the-coronation-service-of-the-king-and-the-queen-consort 英国王室のアナウンス
https://www.youtube.com/watch?v=ThrVkzAurmU, The Independent誌 字幕での解説と花のクローズアップの動画、デザイナーがFlowers from the Farmについての解説もつけているわかりやすい動画
https://www.youtube.com/watch?v=_mKrS0NOLbU Shane Connolly氏による樹々の選ばれた理由などの解説
https://www.youtube.com/watch?v=JSAG0x_AQvw Flowers from the Farm 団体の紹介や、式典の花を収穫している様子の動画
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インターフローラ ワールドカップ 2023年
2023年9月7日から9日までイギリスのマンチェスターで4年に一度のフローリストの世界チャンピオンを決定するコンペティションが開催されます。前回2019年はアメリカのフィラデルフィアで行われました。フラワーデザインの最高峰の技術と創作力を競う大会で、業界では今年一番注目されるイベントです。全体のテーマは 'our natural world - 我々の自然な世界'、直訳してしまいましたが、各競技者は豊かな自然を携える地球への称賛を持ち、持続可能な精神と信念において、地球にある天然資材を利用する。世界中花の仕事に携わっているすべてのフローリストたちにもぜひ実行していただきたい大切なメッセージです。
参加するデザイナーたちはそれぞれの国の競技会で勝ち抜いてきた強者たちです。花と資材を組み合わせるアイディアはどれも独創的で、限られた時間内に作成する大作はトレーニング積み重ねとその経験からなる賜物です。競技会の各ブースではパリッしたよい意味での緊迫した空気が漂い、私たちにも十分伝わってきます。競技者の緊張感までもが身近で感じられ、かなり刺激的な瞬間です。ここ数年はコロナの影響で、様々な競技会が中止や延期が続き、今回は久々に観客を入れてのコンペとなります。
ワールドカップの競技は9月7日と8日の2日にわたりテーマごとの作品作りが行われています。そして最後の日は作品の展示が一同に並べられ素晴らしいエクジビション会場となります。その間、過去の優勝者によるデモやレッスンも開催されます。こちらも同じ会場内、もしくは近くの建物で移動も少なく短時間で著名なデザイナーから学ぶ事が出来ます。ホテルもフライトもすぐに満室となります。お早めにご予約を!
チケット情報 www.interflora.co.uk/page/world-cup
- 3日間パス Ultimate Bundle Ticket
9月7日-9日 10:00-17:30
217.20GBP(英国ポンド)約35,000円
3日間の入場料+2日のイブニングイベントパス
9月8日セミファイナル・ステージ18:30 to 23:45 カクテルと軽食付き
9月9日ファイナル・ステージ観戦と表彰式。Gala dinner: フォーマルパーティとなりますので、イブニングドレス・男性はブラックタイが必要)
ライブストリーミング受信権
- ライブ ストリーミング チケット 自宅でライブ観戦もありです。
16.51GBP(英国ポンド)約2,800円
同時開催で世界のトップデザイナーたちによるレッスンを3名ピックアップしました。この他にもいらっしゃいますのでHPをチェックして下さい。https://www.eventarena.co.uk/interflora/interflora-world-cup-1/florist-workshop-tickets
- Bart Hassam氏 前回のフィラデルフィア大会の王者です。
9月8日木曜日
Bart Hassam Florist Workshop
96.10GBP 約16,000円
https://www.eventarena.co.uk/interflora/interflora-world-cup-1/bart-hassam-thurs
- Frederic Dupre氏
9月8日木曜日
Frederic Dupre Florist Workshop
104.59GBP 約17,000円
https://www.eventarena.co.uk/interflora/interflora-world-cup-1/frederic-dupre-thurs
- Tamás Mezőffy Florist Workshop
9月9日土曜日
104.59GBP 約17,000円
https://www.eventarena.co.uk/interflora/interflora-world-cup-1/tamas-mezoffy-sat
クラスの費用はかなり魅力的なお値段です。一度にこれだけのデザイナーが集まるチャンスはあまりありません。レクチャーにも積極的に参加しぜひ有意義なステイにしてください。
下の写真は上海でのワールドカップに行ったときの競技の一つです。Shanghai Tangというお店の紙袋を使ってディスプレイを考えるというテーマでした。デザイナーたちにとっても最後のお題目となり、ここまで来ればもうリラックスして作業をしていて、とてもよい雰囲気でした。私にとっても一番印象的な一コマでした。
イギリスのフラワースクールも今年からMalvernにて再開します。詳細はFDBへ!
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アレルギー
最近花を触っていて花粉によるアレルギー反応が激しく、たびたび仕事にならないほどの長い時間鼻をかんでいます。よ~く考えてみると、過去にアレルギー反応があり酷い目にあっているのに、それを忘れてまた仕入れてしまう事がたびたびあるのです。呆れた家人がメモを取るようにとのアドバイス。こちらに記しておけば、単純にミスが減るのではないかと思っています。少しずつ書き足してゆきます。
キク科 すべての菊の花、マトリカリア ガーベラ カモミール ライスフラワー
セリ科 アストランチア ミシマサイコ レースフラワー ディル エリンジューム
フトモモ科 ユーカリ 'エクゾティカ'
マタタビ科 マタタビ属のキーウィの蔓の産毛 キーウィフルーツにもアレルギーがあるそうです。知らなくてとれたての蔓を山積し、レッスンで使うフレーム作っていたら一日えらい目にあいました。部屋のすべてを拭き掃除、床なんぞは2日に分けて合計4回。やっと鼻水が止まりました。
マメ科 ギンヨウアカシア/ミモザ
イソマツ科リモニウム属 まさかの展開でした! スターチスと呼ばれる細かい花。色落ちせずきれいにドライフラワーにもなるリモニウムです。HB(ハイブリッド)系のリモニウムで入荷後3日で鼻水事件。すぐにアレルギーと気が付くレベルです。掃除をして2日後くらいに納まりました。フィラーとしては抜群なのですが残念!
アブラナ科 タラスピオファリム/西洋ナズナ
年齢を重ねてきた今、花を触ると手荒れが続いたり、今まで以上に花粉に敏感になってしまったりと症状が次第にひどくなってきます。特に感じるのは農薬です。農業の先進国ではサステイナビリティな地球への動きとして虫を使った害虫駆除をしています。日本の農業もどんどん人と地球にやさしく変わっていってほしいと思います。
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2023年の色 Viva Magenta ビバ・マジェンタ 赤!
毎年パントンという会社からその年の流行色が発表されます。特に影響を受けるのは布素材を使うファッション・インテリア、コスメなどの業界です。花業界も当然ながら連動しており、私も時々意識するようにしています。
2023年はマジェンタ「Viva Magenta 18-1750番」に決定。原色の赤とは異なり、ブルーベースに少しだけイエローベースを加え、どことなく自然界の大地からも連想させられるような赤。様々な未知の物が混ざりがあったような複雑な色に感じます。でも赤は赤、バイタルなアクティブゾーンに位置し、元気に行こうと背中を押してくれそうです。この色が選ばれたのは地球環境変動やそして長く続くパンデミックの状況下で、人々はより自然や大地の大切さを認識し感謝するようになったこの頃の傾向を反映しているとの事。染料の基はコチニールカイガラムシという昆虫。ググッテみたら綺麗な赤を持つカイガラムシでした。植物ではなく昆虫。天然染料であるがゆえに複雑な色なのでしょう。
この色を持ち合わせる花はバラ、カーネーション、マムにスカビオサ、アルストロメリアもあります。チューリップやパンジーなどもちょっとありそうな色です。蘭類ではシンピジュームが近い色あるかもしれません、今の時期でしたらクリスマスのアレンジメントで使う実物、ブルニアレッドがずばりそのもの、リューカデンドロンもそう。昨年使ったブロメリアレッドパロマも近い色。グラジオラス等こんな色があるといいかな。こんな色のシクラメンがあったら間違いなく買い。ちょっと考えただけでも花の世界では比較的簡単にマジェンタ色のピックアップが可能。色は最初に目に入り、その作品のイメージとなり印象に残る物。トレンドをちょっと踏まえるだけで、粋なアレンジメントは間違いなし!来年も花を慈しみその美しさの恩恵にあずかり、アレンジメントを楽しんでゆきましょう!
ビバ・マジェンタに近いお花手持ちのリストから拾ってみました。ご参考までに。
ref: https://www.pantone.com/
日曜日に参加できる生徒募集中デス。
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