ムスカリ ラティフォリウム

ムスカリ ラティフォリウム 球根付き 写真中央紫色の花
花の和名
ブドウムスカリ
グレープヒアシンス
品種名
ラティフォリウム
原産と分布
英語名
grape hyacinth
broad-leaved grape hyacinth
ラテン科名
花の色
花付き
1輪 シングル
花の形状
シングル
季節
2024
2月
日持ち
10日
お薦め度
★★★★★
ノート

写真中央部にある紫色のお花です。M.ラティフォリウムはフロレットの大部分が濃い紫、そして先端が薄い水色のキャップを付けたようなバイカラーでムスカリ独得のムスクの香もあります。トルコの松の森が原産。この品種は葉の付き方にも特徴がありチューリップやスズランのように幅広の大きな葉が茎を守っています。ムスカリは切り花にしてしまうと5日くらいしかよい状態が保てませんので球根付きをガラスの器などに飾るのがお勧めです。球根付きは根の部分を湿らせておくと長く咲き続けてくれます。水分がないと球根付きでもすぐに萎れます。

ムスカリは青いベル状の小さな花が密集して穂の先端につき(総状花序)、葡萄のように見えるためグレープヒヤシンスとも呼ばれます。交配種がほとんどで、水色や白との複色など様々あります。

ムスカリの代表品種

  • M. アルメリアカム M. armeniacum コバルトブルーや紫色のやや大きい花を咲かせます。流通量も多い品種です。'White magic' 'Blue grape'
  • M. オーチェリ M. aucheri  ツルニチソウのようなやさしいブルー、フロレットの淵に白が出る場合もあります。花穂の下部はやや濃い色のブルー、先端部に色が薄い部分が現れます。背丈12㎝くらい、それほど花も大きくなりません。香りはフルーティでちょっと動物チックなムスクも感じるとの事。水仙などとダブルデッカー植えやボーダーに。'Dark eyes'
  • M. アズレウム M. azureum バレリーナがチュールのペチコートをまとったような花姿。優しいベイビーブルー、もしくは白のフロレットにチュールの部分はブルーのストライプが入ります。とてもチャーミング。微かにブドウのような香り。花はベル状で下から開くのですが、先始めが可愛いですね。コンパクトに育ちあまり大きくなりません。
  • M. ボトリオイデ M. botryoides イタリアンムスカリ とても丈夫で寒さにも強く、春早くから咲きだします。白やサファイアブルーの小さなフロレットが少し窮屈そうに密集して付きます。香りは甘く優しいムスクを感じられます。
  • M.コモサム M. comosum (syn. Leopoldia comosa) , ピンクッションのような頭を持つとてもユニークな花の形です。蕾の時は一般的な形ですが、咲いてくると先端の花序が大きく伸びパープルのネオンのような色で、フロレットの頭頂は強烈なマジェンタ(赤紫)。the tassel grape hyacinthとも呼ばれムスクの香りが魅力の品種でもあります。茎は24cm 以上伸び背の高いムスカリ品種です。
  • M.ラティフォリウム M. latifolium 上で紹介しました品種です。トルコ原産。長身で成長すると30cmを超える背の高いムスカリ。花序の色が2パーツとなり下半分は濃い紫、先端は薄い水色の帽子をかぶったように見えます。チューリップやスズランのような葉も特徴的です。香りもあり日本でもとても人気の品種。
  • M. マクロカーパム M.macrocarpum こちらもラティフォリウム同様に複色です。でもちょっと変わっていて蕾の状態は紫色。花が下から開花してゆくにつれて黄色に変化。フローリストが使うカラーコンビネーションの配分率のサンプルのようです。ムスクの香りも楽しめます。球根は大きいのですが背丈は18㎝位。
  • M. プルモーサム M. plumosum, fether musucali 羽毛状ムスカリとして知られる品種でニックネームは'lunatic flower'(狂花)。ピンクの出来損ないのグロリオサかネリネの乱れ花序もしくはピンクのモヤシのような、あるいは海中のイソギンチャクのような、ウモウケイトウにも似ています。アメジスト色がかかったライトピンク。一本のストークから花枝がするすると伸びモサモサしたフロレットが絡み合って展開。全体の形としては紫の細い毛糸で作ったヒヤシンスのようです。十分に暖かくなってから咲く品種で背丈は24㎝位。微かに甘いムスクの香りを感じられます。
  • M. パラドクサム M. paradoxum エメラルドとサファイアを混ぜたようなフローレットの外側、内側はレモンイエローがちらりと見える神秘的なムスカリ。開花が進むにつれ外側に紫が出てきます。染めたのかと思うほどですがこれが持って生まれた姿。春先から咲きだし、ピークには30㎝を超える長身のムスカリ。芳香も強く魅力的な花です。

    ref: 写真とオリジナル文章はGardenerspath.com
エピソード
葡萄をひっくり返したような形をしているため、グレープヒアシンスと呼ばれます。

属名のムスカリは1583に植物学者のC.Clusius*により記録された名前との事。おそらくラテン語のmuscus、花から香ムスクmuscusから由来するのではないかと。
品種名の ラティフォリウムlatifoliumは太い葉という意味です。

*カルロス・クルシウス C.Clusius(1526.2.19 - 1609.4.4) フランス人医師・植物学者 オランダのライデン植物園の設立に尽力を尽くし多くの詳細な植物の記録を残す。またチューリップの改良をし後にチューリップ・バブルの引き金となった人物でも有名。オーストリアの国王マクシミリアン2世の後援によりオーストリアの高山植物の研究をし、多くの植物にクルシウスの名前が残っている。例えばリンドウGentiana clusii、アルパイン植物のPotentilla clusiana、サクラソウのPrimula clusiana、オトギリソウ科=ヒペリカムのClusiaceae等。
使用日