夏

7月~8月

アンスリューム キャンディ

サーモンピンクや、そのピンクにグリーンがかかっているようなくすんだ色、あるいはグリーンが薄い色まで個体により大きく差があります。今回のアンスはアンティークタイプで、栽培時期を長くして色合いに変化を持たせたものです。もちろん手間がかかっている分お値段に乗りますが、それでもこの時期ニュアンスカラーに目が奪われます。

アンスリウムの実際の花は中心部に小さく付き、色のついている部分・つやつやとしていて光沢のあるハートシェープの部分を仏炎苞(ぶつえんぽう・英語ではspathe)と呼びます。葉の一部、真ん中から突き出ているものが小花を密につけた肉穂花序(にくすいかじょ・英語ではspadix)と呼ばれます。台湾、オランダ、日本でも栽培が盛んで周年の流通があります。南米原産ですので暖かい気温を好みます。上手に管理すればとても長くお楽しみいただけます。

アスクレピアス

小さいのですがよく見ると一つ一つが可愛いお花で、茎の頭頂に密集して付く散形花序のスタイルです。大きなメインの花と花を繋ぐトランジショナルのお花です。色は鮮やかな黄色と赤に近いオレンジ色。どちらも素敵ですが強く派手な色ですので少し控えめに使いましょう。

枝分かれのスプレー咲きとなっている場合が多く、水あがりがしっかりしていれば長持ちするお花です。葉を落とし深水で水揚げ、その後は15㎝の深さもあれば十分です。茎をカットと白い液が出ますが触らないように。キョウチクトウ科の植物は有毒です。水あげの時は液が付いた茎を洗ってから花瓶に入れます。同じような白い液がでる植物はフウセントウワタ、同じ科に属しますがフウセントウワタ属(ゴンフォカルファス)に分類されます。ブルースターも同じ科属で、白い液が出ます。似たようなシードポットを付けます。

暑さに強い花。南米原産の為日本では冬が越せないそうです。夏の庭では重宝しそうですね。今回のアスクレピアスは秀品ではなかったので花持ちは一週間くらいとしましたが、蕾までしっかり開花するものもあり10日以上も楽しめる事もざらです。やはり品質はお値段に比例します。

ベッセラ エレガンス

最後に使ったのは2022年10月。好きな花なのですがなかなかお目にかかれない。もしかしたら10月しか出てこないのかなとも思います。とにかく見つけましたので持ち帰る事にしました。

メキシコ南西部原産。elegans, tenuiflora, tuitensis 3つの代表品種があります。一本の茎から5本から7本放射状に花が下向きに付き次々と開花します- 散形花序(umbel)。花は小さなフクシアのようです。

エレガンスは鮮やかなオレンジ色、あたたかな気温を好むのですが、今年の10月は暖かですね。マックスの5日間十分にアレンジメントで頑張ってくれました!

ref: https://plants.ces.ncsu.edu/plants/bessera/

ケイトウ ボンベイ

平べったい頭を持つトサカケイトウ 英語ではBombay Celosiaと呼ばれることもあります。少しだけ甘く落ち着いたオレンジで気に入りました。とても大きくて立派です。茎もすごく太くこれなら丈夫で重たい頭を支えるには十分です。長い茎は切り戻してリフレッシュをかけるのにも長すぎるほどでした。こちらも生産者さんの名前を冠したセレクトの物。セレクトはひと手間他かけて育てたワンランク上にクオリティです。

ケイトウはセロシアとも呼ばれ、扇形に平べったくひろがっている品種はトサカケイトウで、本当に鶏のトサカのようですね。一方丸くコロンとしているのが久留米ケイトウ。ボサボサしていて炎のような形になるタイプはヤリケイトウ。使いやすいのはやや小ぶりのトサカケイトウか久留米ケイトウ。大きくなるとそれだけが目立ってしまい他の花が迫力負けしてしまいます。

水がうまく上がらない場合は、沢山ついている葉を落とし茎をナイフでシャープにそぎ切りしましょう。一日だけ深水で様子を見て下さい。頭頂がぱりっと元気になったらお水はほどほどに、あまり深水ですと茎が柔らかくなり腐りやすいです。

 

 

ヒマワリ/ヘリアンサス サンリッチマロン

真夏のイメージがある向日葵ですが、秋深くなっても関東地方では咲いています。レモンイエロー、カボチャ色、茶色に複色がありサイズも様々。今回の品種名は’サンリッチマロン' 秋を感じさせる名前で、花びらにはうっすらと茶色がのっています。ぱっと見てわかるお花、色も強くインパクトも出しやすいです。北米原産、種は可食ですしまた種から絞られたオイルはサンフラワーオイルです。涼しくなると長持ちしてくれますね。茎は花瓶の水替えをする毎に斜めに切り戻して下さい。花弁が散ってしまってもユニークな形を楽しむ事が出来ます。

向日葵は太陽の方向に向かって咲いていると言われますが、成長期に光に当たると光の当たっていない反対側の茎が伸び、太陽の方向に傾きます。でも日が沈むと今度は昼間とは反対側の茎を成長させます。生物の体内時計による現象です。

ref: https://biome.co.jp/biome_blog_129/

センニチコウ

今頃のセンニチコウは本当に美しく、いつもこの時期に入荷しています。今回は薄いピンクであまり目立たないかなと思うような色です。質感の違う個性的な花をコンパクトに寄せ集めたスタイルのブーケに、花と花の間に埋めてギャップを埋めるために用意しました。スプレー咲きで沢山の花が付いているため大活躍でした。

花が大量についているとどうしても水が足りず頭を下げてしまいますので、水あげの時は小さなサイズの花はある程度処分しています。大変長く立派なのですが、丈を詰めるのも水あげを促進する有効な手段です。

ドライフラワーにするには茎をさかさまにし、空調の効いているお部屋で吊るしておくとよいでしょう。色も褪せず綺麗に乾きますが、それは最初の水あげ次第という事にしておきましょう!

リューコスペルマム

南アフリカケープの東側が原産。同じヤマモガシ科にプロテアがあり、プロテアの原産地とほぼ同じです。こんもりと茂り枝の先に花が付きます。木に着いたままにしておけば春から4か月もの間咲きつづけるとの事です。花の形はユニークで、針が沢山刺さった針山のようで英語ではピンクッションという名前がついています。現地ではおそらく一年中あると思いますが、南半球は春のため流通量が多くなるのは今頃です。

学名であるリューコスペルマムは’白い種’という意味があります。これはその実が光沢がありスムーズな実が白っぽい色をしているからです。この実が熟成しはじけると種がこぼれます。蟻により蟻の巣に運ばれ火事などの天災あるいは捕食者から逃れているようです。

花の色はオレンジ、赤味が強いオレンジ、黄色もあります。カットフラワーとして人気で交配種が流通しています。

クサレダマ 草連球/草礼玉

草木で’クサレダマ'というとても変な名前です。マメ科の木「レダマ(連玉)」に似た草花であることに由来しています(ref)。黄色で中心部が赤い花を穂状の茎につけています。時々脇から出ている枝にも花が沢山ついていますのでスプレータイプとしました。海外では水辺の草の扱いで、夏から秋までいくらでも伸び広がると事が書いてありました。私は今回がこの植物の利用は初めてです。どことなく風情があり、ちょっと品も漂いなんとなく好みかなと思い購入しました。次々と小さな黄色い花が開花してにぎやかになりました。フィラーとして他の花のサポートに使うとよいです。また茶花のようにシンプルに一輪だけ使うのもよいかもしれません。背は高く60cmはありました。茎もすらりとして水を汚さずいい感じです。ジャスト一週間で花が散りだしました。真夏に一週間持ってくれれば良しだと思います。

ref: https://www1.ous.ac.jp/garden/hada/plantsdic/angiospermae/dicotyledoneae/sympetalae/primulaceae/kusaredama/kusaredama.htm

ヒメガマ

暑くなってくる頃から秋口の期間限定で出回るガマの穂。ユニークな細長い穂が目をとらえます。茎は長く葉はスムーズ。すべて使える素敵な花材なのですが、夏休みを長く取るためなかなかタイミングよくレッスンで使えていません。直線的なアレンジメントには使いやすくお勧めです。今年は2年ぶりの購入でした。

穂は茶色い皮をかぶっていますが、夏も終わりに近ずくと熟成し綿状の種が一気に舞います。かってはこの茎ですだれを作ったそうです。その名残で別名は御簾草(みすぐさ)というそうです。

「蒲黄(ほおう)」と呼ばれる生薬でもあり、「古事記」には怪我をした因幡の白うさぎが大国主命(おおくにぬしのみこと)の指示でガマの穂にくるまり、その花粉で止血して傷を治したという記載があるらしいです。
ref: https://www.hana300.com/gama00.html