春 3月~4月、5月中旬ごろ

オンシジューム ヴォランドピンク

数ある花の中でひときわエレガント、繊細でとても高貴な花に感じすぐ手に入れました。オンシジューム 'ヴォランドピンク' とタグが付いていましたが、なにも情報がありません。ハイブリッドなのかナチュラルなのか謎です。形はオンシジュームそのものですが細い、軽い、小さくデリケートです。今後チャンスがあったらじっくりと向き合ってみたいお花です。

メキシコ、ブラジルなど中南米の熱帯地方に300種類も分布。白、バーガンディー、茶色と白の複色など色も様々。ピンクも加えておきましょう!

ワックスフラワー

オーストラリア西部原産。現地では4mにも達するお花ですが今回は国産です。生産者さんがとても丁寧に仕上げていらっしゃり葉の密度が格段に違いました。こんなによいワックスフラワーはすぐに輸入ものでない事が分かりました。入荷した時はまだ蕾ですが、この後ゆっくりと開花しました。みずみずしく非常に満足するお品でした。

uncinatumはラテン語で「引っかかる」という意味で、細い葉が絡まりどこかに引っかかりやすい事からとの事です。また蕾がつややかでまるでワックスがかかっているような花からワックスフラワーともよばれます。花びらはシングルかダブル、白、ピンク、ベージュなどあります。しっかりと水揚げすれば10日は長持ちしてくれます。今までは南半球からの輸入のため夏の間は入手できませんが、秋から春まではちょうど現地が暖かくなる頃流通があります。クリスマス時期はとても重宝してくれます。独特の匂いがありますが、それも魅力と感じます。この花は最初の水あげが難しいお花です。茎を斜めに深くカットしじっくりと水揚げしました。もし枝別れが多く葉も沢山つきすぎると感じる場合は少し整理するとよいと思います。

姫アスター プチパープル

枝分かれが深いスプレータイプのアスターです。花も直径約2㎝位で花と花の間に埋めるトランジショナル(transitional)フラワーとして入荷しました。中国北部原産。サツマギク、蝦夷ギクとも呼ばれています。よく枝分かれしているためアレンジメントにもブーケにも活躍です。菊類はいずれも長く続いてくれます。花の色も変化なし、葉も枯れず緑を保っています。主役にはならない花はお手頃なのですが今回入手の姫アスターはやっぱりそこそこのお値段。蕾を付けた枝がかなりついているため、2束購入しましたが一束で十分でした。色は濃いピンクや赤など強い色が多いです。

今回も相当数の枝がついており、かなり整理して水あげしました。菊類は強いのである程度整理されていれば水あがりは良好です。水に浸かる部分の葉は絶対に取り除き、花瓶の水を替える時はかならず斜めに茎をカットしましょう。

デルフィニウム 'スーパーグランブルー'

スプレータイプのデルフィニウムで目に鮮やかなちょっと強めの水色です。本来は初夏のお花で、だんだんとその季節も近づいてきているようです。デルフィは北海道などの寒い場所で栽培されており、あまり暑い季節では長持ちしません。今頃がちょうどよいかと思います。

ラクスパーとも呼ばれ300種類もあります。北半球に自生する植物で原産地は不明です。アフリカのトロピカルエリアの高い山麓など冷涼な気候を好むとの事です。一つの茎に穂状に花が付くタイプと枝分かれしているスプレータイプがあります。属名のデルフィニウムは古代ギリシャ語でドルフィン=イルカを意味する言葉から派生。花がイルカの形に似ているとの事から来たようです。似てますでしょうか? 薬草としての利用があったようですが有毒植物です。

下葉をすっきりと整理し絶対に水につかる部分に葉が残っている事がないようにして下さい。水はこまめに替えその都度茎を斜めに切り戻して下さい。少しの手間で水がしっかりと花まで行き届き美しく保てます。

マトリカリア ダブルラテ

マトリカリアは直径1㎝位のキク科の小さな花です。花びらがシングルタイプ黄色で丸いボタンタイプ、そしてこの’ダブルラテ’のように幾重にも重なっているタイプがあります。花と花を繋いだり空間を埋めるフィラーとして利用です。バルカンやコーカサスなど西アジアが原産です。花も葉も多くついていますので整理してからのご利用をお薦めします。今回もかなりカットしました。数日経つと花粉が飛び出しますので花粉症で敏感な方は注意が必要です。秋から春まで出回りアレンジメントや小さなブーケに大活躍です。

セイヨウテマリカンボク/ビバーナム・スノーボール

流通名はビバーナム・スノーボール。こんもりと花が密集して若枝の先につきます。蕾の状態はライムグリーン、開花が進むと白になります。ガマズミ属の植物の花は白やピンクが多く香る物もあります。花が終わると赤い実をつけます。しかしこちらのV.ロゼウムに関しては実はつきません。ブーケなどにいれるとふわふわと揺れ爽やかなライムグリーンの色と共に初夏を感じさせるお花です。水揚げがやや難ですが、上がれば長持ちしてくれます。小さな花は茎が柔らかくアレンジメントには扱いにくいです。ピークシーズンとなりちょっと手ごろ感がありましたが、やはりもう少し大き目の物にすればよかったと感じています。

清潔なナイフでシャープに切り込み、花瓶の水を替える時にさらに切り戻しをして楽しんで下さい。クロンキスト体系等の旧分類ではスイカズラ科に属していました。

フリージア アンバサダー

久しぶりにフリージア’アンバサダー'を手にしました。最近の白は'アヌーク'をよく見ますがこれも流行の移り変わりでしょうか。気温も高くなってきましたし、4月後半にかかると花自体もそろそろ終盤です。

アフリカ南東部、ケニアから南アフリカのケープ州の原産 花びらはシングルかダブル、色は白、クリーム、オレンジ、赤、ピンク、赤紫、ラヴェンダーや紫など様々。現在の一般的なフリージアは、19世紀に F. refracta and F. leichtliniiとの交配種を基にして掛け合わせたものです。芳香もあり一つ一つ順番に花が開花するため一週間くらい楽しめます。萎れたフロレットはすぐに切り取りましょう。

英語の花言葉に友情という意味があります。卒業式に配られるのはその花言葉からだと思います。フリージアも3月から4月前半が出荷のピークとなり、卒業式の時期に旬を迎えます。

アストロノバ メラク

アストロノバはアルストロメリアの改良品種で、1本の茎に1つの大きな花を持つお花です。数十年におよぶ育種の過程があり2022年に日本デビュー。直径7cmくらいあり、アルストロメリアの固有のスポットや中心部に全く違う色がのっている所などの特徴はそのままの為、だれにでもアルストロメリアとわかります。今までゆっくりと手にした事がなかったのですが、今回はメインの花としてアレンジメントに入れる事にしました。

大田花卉さんで他の種類も紹介されています。’メラク’の訳は「おおくま座の星」だそうで、他にも星座の名前がついています。ref: https://otakaki.co.jp/showroom/220314-2/

アルストロメリアは南アメリカ アンデス山脈の寒冷地が原産。ハイブリッドが多く色も豊富。柔らかい花びらではあるがとても丈夫。一般的なアルストロメリアの花は散形花序で、茎の先端に沢山の花を付けるため取り分けてアレンジメントに使えます。本来は春から初夏にかけてのお花ですが、一年中流通があります。

リモニウム キノマルチーズピンク

遠目からはややくすんだベージュに見えたのですが、近づいてみると明度がおちついたピンク色から黄色が見え隠れする感じで可愛いではないですか! ピンク・黄色といろいろな花をすでに選択していたためフィラーにはちょうどよい色です。

ひと昔前はスターチスとよんでいましたが、現在はリモニウムと呼ばれています。萼片に色があり、ドライになっても色は褪せずに残ります。夏から初秋に出回る花ですが水が多いと茎がぬめりますので、できるだけ少な目に管理しましょう。残念ながら私は花粉症で手元に置く事が出来ない花の一つです。