初夏

5月中旬~6月

シレネ アルメリア サクラコマチ

花の色はとても薄いピンク、ヨーロッパ原産で宿根草です。現地では夏の花ですが、いささかこちらでは花期が早いようです。可憐な姿で花と花の間を埋めるフィラーとして活躍します。花のすぐ下の茎が少しぺちょっとした触感。このため英語ではムシトリナデシコとのニックネームで親しまれています。カーネーションと同じ科ですので丈夫で長持ち!節もありますので、茎をカットする時は節と節の間で斜めにすかっと切り落としましょう。

アジサイ/ハイドランジア  エメラルド

水落しやすい花ですが最初の水揚げと途中の手入れでかなり長く楽しめます。

  • 水につかってしまう部分の葉を取り除く。
  • 花瓶の水の量はやや多めで花の茎が半分以上つかる状態を保つ。
  • 2-3日に1度ずつ茎を切り戻す。

<ドライフラワーに>
クラシックタイプ* のアジサイでしたら、色が変わって水も吸わなくなったタイミングで、葉をすべてカットし花瓶の水を捨ててください。梅雨や夏の時期はフレッシュの時と同様エアコンの風が直接当たらないようにします。エアコンの風でドライにすると花びらがしわしわになってしまいます。

*紫陽花フレッシュとクラシックタイプの違い
春先から初夏にかけ、しっかりと成長し色が出てきた時の花をフレッシュと呼びます。そのままのにしているとやがて落ち着いた色に変化してきます。その時の花をクラシック・ハイドランジアと呼んでいます。アジサイは樹についている時間が長いほど、切り花にしたときにも長持ちです。

ベロニカ ブルービクトリー

水がしっかりと上がると穂先まで真っ直ぐに伸びます。脇から小さい花穂が出ていますが水あげがあまりよくない植物ですので、葉とともに思い切って処分してしまいましょう。ピンク、白などの色もあります。すらっと伸びる形は他の花とはまた違った趣です。和風にも洋風にも、ブーケにもアレンジメントにも向くお花です。以前はゴマノハグサ科に属していましたが、オオバコ科に変更となりました。

オオバコについてはよいサイトがあります https://flowers.hasma.jp/family/plantaginaceae/

バラ フリーダム

一枝に一つ花が付くスタンダードタイプの赤いバラの代表的な品種。花は大きく開き大輪で見ごたえがあります。購入時は花に痛みがないか、葉に白いスポットがないかよく確認してください。また萼が蕾にぴったりとついているものは咲きません。十分に下がっている事も選択のポイントです。もっとも最近はそんな未熟な花を出荷する所はなくなりましたが、海外からの輸入ものに限っては可能性も無きにあらずです。バラは花の中でも短命ですのでよい物を選ぶとそれだけ長持ちにつながります。以前冬の時期でしたが約一か月咲き続けたバラもありました。観察力もトレーニングしてゆきましょう。

トルコキキョウ アンリ

甘く優しいオレンジシャーベットのような色の ’アンリ'。一枝に蕾も入れて5輪程度ついています。トルコキキョウは一つ一つの長い枝を切り取りアレンジメントに使うのにとてもよいお花です。お値段高めですが、一本のバラを買うよりもトータルで考えるととてもお得です。柔らかい花びらもエレガントですので、空気を含むようなアレンジメントにしてください。

北米 ワイオミング州南東部、ネブラスカ、テキサス南部やメキシコなどミシシッピ川とロッキー山脈の間の草原地帯が原産。現地で咲いていた花はうす紫色、テキサス・ブルーベルという愛称で親しまれてきました。日本での交配が進み花はシングル咲き・ダブル咲き色も白、グリーンかかった白、クリーム、優しいオレンジピンク、優しい黄色、紫と白の複色があったりととても豊富です。気温の高い時期にありがたいお花です。よい物でしたら5輪も6輪も一枝につきますので華やかになります。

水に浸かる部分の葉はきちんと処理をしましょう。小さなカケラでもバクテリア発生の原因になります。もともとは初夏のお花ですが、今は栽培により一年中入手が可能です。

 

ガーベラ バナナイエロー

様々な色と大きさがあり、咲き方も多様なガーベラ。今回はオーソドックスなダブル咲き。よい生産者さんのガーベラを使えばびっくりするくらい長持ちしてくれます。茎には葉がなくすらりと長いのですが、滑りにくくブーケにもアレンジメントにも万能です。形がはっきりとしているためメインの花としても活躍してくれます。最初の水あげがしっかりとできていれば浅水で大丈夫です。特に気温の高い時期は7㎝あれば十分です。

ガーベラは生産者さんにより質が大きく異なって出てくる花です。昨年秋、間違えて違う生産者の花を購入した事がありました。水あげの時から水が濁りはじめ、自分用に残した数本がすぐに使いものにならなくなった事があります。2-3日で傷むような花をお配りしては仕事がなくなりますので、以後絶対に生産者さんの名前を確しています。

 

ニゲラ パピローサ キュリオシティ

50cm - 90㎝にもなるニゲラです。この種はスペイン原産。一般のニゲラは西アジア、地中海沿岸、もしくはアフリカ北部です。ニゲラパピローサは白地に濃い赤紫のスタメンが上がりやがて種の入った袋が膨らみ、日毎にグリーンから濃い紫色に変化してきます。花の部分が終わったその後の変化が楽しい花だと思います。花が散っても捨てないで観察してみて下さい♡

宿根スィートピー

2月に宿根スィートピーが入手できるようになりました。ぷっくりとしたやや肉厚の花弁を持ち、蔓が伸び何かに絡みついて長く伸びるタイプのピーです。葉付でやや平べったい茎に一本に沢山の花がついていますので、アレンジメントに切り分けて使います。絡みつく蔓もまたユニークです。さわやかな香りも楽しめますのでお値段の価値はあります。

イタリア南部シチリアやクレタ島原産の花。可憐そうですが丈夫です。宿根タイプは春本番桜の咲く頃から出回ります。

アリウム コワニー 染め

染料を吸わせたアリウムコワニー。花びらに表れた紫色のストライプが目に留まり初めて購入しました。一般的に色を吸わせた花は花瓶に染料が溶け出しますので単独の花瓶で管理しなければなりません。でもこちらの花は気になるほどの染料は見受けられませんでした。化学の進歩でしょうか。花は外側から開花しますので、家に持ち帰ってから咲く花にはそれ程濃い色は残りません。普段は美しい花に色を吸わせるなど、人の勝手で手を加えた花は好きではありませんが、こんな感じにナチュラルさが残るのでしたら使ってみたいとも思います。

コルダータ

南アフリカ先端ケープの西側の木のバークが沢山ある所や岩場に生えるヤマモガシ科(プロテア)の植物です。ハートの形をしている葉はコルダータと呼ばれ、この葉も該当しています。ザラザラした触感でまさにプロテアの葉そのものです。若い葉は美しい紅色でやや柔らかくちょっと扱いにくいのですが、成長するにつれモスグリーンの肉厚のしっかりとした葉になります。10日もすると形を保ったまま茶色の美しいドライとなります。今回はドライにしてゴールドを塗りました。花は小さなピンク色、プロテアの形をしています。
Ref: http://pza.sanbi.org/protea-cordata