花の色 白

2月も後半になると梅の木が一般家庭のお庭でも咲きだします。香りは爽やかで、お正月に飾った蝋梅の香りとかなり似ています。

切りたての梅をいただいても花瓶に入れると3日と短命なのですが、沢山の花から出る素晴らしい芳香を楽しんでください。待ちわびていた春の訪れを感じると思います。

余談ですが初夏に実りだす青い梅にはアミグダリンという毒があります。絶対に食さないようにしてください。

レモンリーフ

レモンリーフと呼ばれますが、英国ではサラル Salalもしくはゴーテリア gaultheriaと言わないと通じません。北米東部が原産。アレンジメントにブーケに万能な葉です。皮のようなザラザラ感が特徴です。葉物としてほぼ一年中入手可能です。晩春に白やピンクのスズランのような花をつけるそうですが、花付きのレモンリーフはまだ見たことがありません。とにかく丈夫で長持ちです。ブーケの最後の仕上げによく使っています。

バラ ジュミリア

少し色がのった白地にピンクの縁取り、花も茎もしっかりとしていました。バラは普通5日くらいで衰えが見えてくるのですが、寒い時期、そして生産者さんの努力により長期間美しさを保ってくださいました。山形からのお花でした。

 

チューリップ ベルソング

花びらの淵がギザギザになるフリンジ咲き。色もとてもスイート!

中央アジア イランパミール高原、ヒンドゥークシュ山脈、カザフスタンステップ地帯、西アジアのトルコアナトリア地方が原産。

チューリップもアネモネと同じで切り花になっても開閉運動しながら毎日楽しい変化があります。今日ポジションを決めても明日になると違った方向にむいている事もざらですので、そこはこのお花の特徴という事でご愛嬌デス! ちなみにチューリップの開閉運動(または傾性運動)は温度に影響されるとの事です。気温が低い時は花びらの外側が伸び、高い時は花びらの内側が伸びるそうです。暖かい部屋ではこれがチューリップというくらい大きく花が開き、原型をとどめないほど変貌していますね。チューリップの葉を処理する時は茎を傷つけないように気を付けてください。ナイフを使う場合はゆっくりと慎重に!

ラナンキュラス 小春てまり

白地にうっすらとしたピンクの縁取り。とても可愛いラナンです。ネーミングのぴったり!ラナンは濃い色に目が行ってしまいますが、こんな優しい色も素敵!

ラナンキュラスは西アジアからヨーロッパ東南部、地中海沿岸の原産。大まかなタイプ:ELEGANCE, Clooney, Aazur & Butterfly。ELEGANCEは大型、Clooneyは手ごろなサイズ、Aazurは色の種類が多く小さめな花をつけます。Butterflyは一重の花びらで軽いタイプです。日本でも特有の呼び名があるようです。変り咲きも多く、一本一本咲き方が違い個性豊かな花ですので、とても楽しいです。

ユキヤナギ コユキ

日本、中国西部原産。薄いピンク色もあります。春寒い時期から出回りますが、気温が低いとなかなか開花しませんので暖かいお部屋で楽しみましょう。小さい花ですが、一本についている枝数が多いため開花するとボリューミーになり素敵です。枝の間に春色の花を加えて飾ってみて下さい!

シンピジューム ダンサー

少しだけクリームかかった白にリップの部分(唇弁)に赤いスポットが入ります。花は中輪、アレンジメントの一つとして入れたかったのであえて小ぶりを選びました。目立たせないようにとアレンジしましたが、花の形が他とは異なるため、結果いいように目を捉える事となってしまいました。小さくてもランはランなのです!

シンピジュームはネパール、ミヤンマーや中国の山岳部の冷涼なエリアが原産です。春に花をつける春蘭の仲間で、一年中入手できますが、初冬から本領発揮する花です。優しい香りも楽しめる品種が多く、アレンジにも活け込みにも向きます。ファレノやシンピジュウム、ヴァンダなど立派な蘭類は大きな花が多く水あげも時間がかかるものです。花に元気がなくなってしまった場合は、下のフロレット数個を切り落とし、丈も短めにすると元気が出てきます。消毒したナイフで大きく斜めに切ると表面積が広がり水上りも早くなります。

シンピジューム 'ダンサー' の入ったアレンジメント。どこかの国の方がクリスマスに使った資材を捨てずに再利用したデザインをアップしていました。まだ手元にのこっていた松を入れてアップサイクルしてみました。ドライのマテリアルを使うのは最近のトレンド。いろいろ入れて楽しんでいます。長持ちする花材に感謝です。

ヒヤシンス/ヒアシンス トップホワイト

春の香花として真っ先に思い浮かぶのがヒヤシンスです。入荷した時は蕾はとても固く開くのかと不安になるかもしれませんが、球根植物ですのでとてつもないパワーがあります!ヒヤシンスが開かなかった時はありませんのでご安心を。むしろ蕾のうちのほうが扱いやすく、さっさとブーケにしてしまいましょう!

下についている太くてやや硬い部分は球根です。デザインによっては切り落とさなければならない場合もありますが、この栄養の塊を落とすなんて事はせずあえて私はそのまま使います。水にさえつかっていれば開花しますので大丈夫!今回はトライアルクラスのパラレルブーケにしましたが、ガーデン風なアレンジなどアイディアはいろいろ。素敵なデザイン考えてみて下さい。

トルコやシリアなどが原産地です。

 

パンジー カルメン

園芸品種として1800年代に北ヨーロッパにてサンシキスミレとビオラなどを交配して生まれたようで、今日では数えきれないほどの品種があります。 フローリストが使うパンジーは丈が長めに栽培されているものです。茎が柔らかく吸水フォームには向きません。小さなブーケが一番この花の魅力を出せると思います。