花の色 緑

シンピジューム ドクター

グリーンのお花が爽やかに感じる季節になりました。本来は春先に花をつけるお花ですが、大量に入荷がありお手頃価格でしたので購入しました。サイズも大きすぎずカジュアルに楽しむのにはちょうどよいかと思います。

シンピジュームはネパール、ミヤンマーや中国の山岳部の冷涼なエリアが原産です。春に花をつける春蘭の仲間で、一年中入手できますが、初冬から本領発揮する花です。優しい香りも楽しめる品種が多く、アレンジにも活け込みにも向きます。ファレノやシンピジュウム、ヴァンダなど立派な蘭類は大きな花が多く水あげも時間がかかるものです。花に元気がなくなってしまった場合は、下のフロレット数個を切り落とし、丈も短めにすると元気が出てきます。消毒したナイフで大きく斜めに切ると表面積が広がり水上りも早くなります。

カラー マニラ

苞の外側はくすんだライムグリーンで、内側はほんのりとピンク色のカラーです。サイズは小さめ。今回は小さなブーケを作るため丁度良いです。

すらっとした茎でモダンな雰囲気の花です。高めにアレンジしたい場合は太い茎を選びましょう。給水フォームに挿す時は、予め木の枝などで穴をあけておくとよいです。

カラーも一度水が上がれば浅水が相応しく、ご自宅では切り戻しをかけながら管理して下さい。気温が高くなるとどうしてもバクテリアの発生により茎が柔らかくなって傷むものがあります。もし水がすぐ汚れるようでしたら、すべての茎を点検して下さい。なかなか購入時にはその見分けもつかず難しい所です。モノによっては2週間楽しめるものもあります。

どの花のメインテにも言える事ですが、花瓶とハサミはいつもきれいにしバクテリアの発生を少しでも抑えましょう。

グズマニア

グズマニアはメキシコなど中米から南米の熱帯雨林原産の植物です。色がついている部分は苞で実際の花は小さいです。園芸品種としてのハイブリッドが流通しています。色は赤、黄色、オレンジやこのグズマニアのようにクリームにグリーンの複色も多くみられます。苞の間に水を貯めて水分を取るため厳し環境でも長く持ちます。暑さには強いのですが寒さは苦手です。葉の部分は美しく大きな花の代わりにもなります。

 

 

バラ パンテオン

普段あまり手にしない色合いです。今で言うニュアンスカラーで、グリーンかかったベージュ地にスモーキーなオレンジが中心から広がっています。名前から調べてみたら、アヴニール(ちょっとくすんだピンク)の枝替わりとの事。それほど長くもないステムですが、花にはしっかり感があります。葉をいつもより沢山つけた状態で保管してしまっていたため、途中水切れの症状が出ました。残念ですが短くカットして回復を待ちましたが、結局レッスンでは使えるレベルにはなりませんでした。短くして使う事が最初から分かっていても入荷直後の水あげは非常に大切で、気を抜いてはいけないという事です。

水に浸かる部分の葉はすべて落とし(気温の高い時、茎が長い時は葉3枚を残してすべて落とします)、ナイフで斜めに深く切ります。花瓶の水替えの度にナイフで茎の先端を切り戻します。茎をリフレッシュすると導管に水が渡りやすくなります。

 

カーネーション/ダイアンサス

優しいライムグリーン地に中心部にライトオレンジが集まる複色のカーネーションです。ニュアンスカラーの優しい色を探していましたので、このお花にしました。茎は細く節の間が長かったため、花の重みでが曲がってしまう花もありましたが、短く使う分には問題ありません。

カーネーションは節がありますが、切る時は節と節の間を斜めに切りましょう。花瓶で楽しむのでしたら水替えの時にまた斜めに切り戻すと持ちが違います。水に浸かる葉はきれいに取り除きましょう。

パフィオペディラム/スリッパオーキット

パフィオは小さなサイズであってもその独特な容姿のため存在感があり、どんなアレンジメントに入れても目を惹きます。今回は中心部がライムグリーンで花びらの先端が白の上品なタイプです。ビーナスのスリッパというニックネームがありますが神秘的です。

パフィオ属はユニークな袋状の花弁があるランの花です。東南アジアの出身ですので、暖かい気候を好みます。

ラン科で袋状の唇弁をもつ仲間は、アツモリソウ亜科Cypripedioideaeという分類に入りますが一般的にはパフィオペディラム属でOKみたいです。尚この亜科と一緒にCypripedioideae Paphiopedilumと明記される事もあります。

スプレーカーネーション グリーンガーデン

ここの所ミントグリーンがお気に入りで、今回もグリーン系のSpカーネを手にしていました。緑色は何にでも合わせやすく、私にとってはニュートラルな存在。白が多く含まれ明度も高めの為、この花を入れると全体が明るくなります。スプレータイプのカーネーションは花と花を繋ぐ役目があり、アレンジメントには切り分けて使えとてもエコロジカルなお花となります。

茎は節と節の間で斜めに切りましょう。先端につきすぎている蕾を落とすとすっきりして使いやすくなります。エチレンガスに弱いため、果物のそばには絶対に置かない事。アレンジメントに傷んだ花や葉がある場合は即処分してお手入れしましょう。

シラカシ

緑地の植栽の手入れで切り落とした枝を入手しました。ブナの樹とクラスでは紹介しましたが、シラカシだと思います。日本、朝鮮半島、中国に分布。暖かい気候を好み日本では福島、新潟以西に生息。常緑の高木で、よく茂ります。 大きなブーケのサポートに使いました。葉といえどもお金がかかります。大量に必要だったためとてもありがたかったです。

ref: https://www.uekipedia.jp/

エリンジューム シリウスクエスター

グレイッシュなグリーンのエリンジュームです。変わった色でしたがたまには変化も必要です。この花は紫色以外はだいたい落ち着いた色が多いように感じます。尖った葉に尖った苞が特徴です。ヨーロッパ原産で冷涼な気候を好みますので、日本でも北海道や長野など比較的涼しいエリアでの生産が盛んです。秋口から冬にかけての利用が多いのはそのためです。ドライでも楽しむことができます。

セリ科ですので、私には強い花粉のアレルギーがあります。もしアレルギーで花粉症の症状が出る場合は別の部屋で管理するのがよいと思います。万が一アレルギーの症状を感じる場合はお知らせください。

アルストロメリア アイスクリーム

白地にライムグリーンのラインが入り、レモンイエローがわずかに花びら中央部に浮かび上がる清楚なアルストロメリアです。透明感がありますのでウェディングの卓上の花などによいと思います。南アメリカ アンデス山脈の寒冷地が原産。ハイブリッドが多く色も豊富。柔らかい花びらではあるがとても丈夫です。花は散形花序・茎の先端に沢山の花を付けるため取り分けてアレンジメントに使えます。花束に入れる時はちょっと花数を整理してからつかうとよいかもしれません。