7月~8月

リキュウソウ / 利休草 / ステモナ

先端は優しいライムグリーンで蔓状になりますが、蔓のようになるのは先端だけで茎はまっすぐ。葉は2枚と3枚が交互に段差になって付きます。江戸時代中国から渡来。分布は中国上海付近、インドネシアと日本。優雅な姿で茶花として広く用いられていました。グリーンのグラデーションも美しく葉は優しく長いまま使っても切り分けても使いやすいです。春の終わりごろから出回り初夏にピーク。葉の裏に小さな花を見つける事もあります。繊細ですがかなり丈夫です。途中切り戻しをいれると長く楽しめます。動きも出やすくウェディングブーケなどにお勧めなグリーンです。

イヌラ 夏小町

もともとは畑のあぜ道などにある雑草で、'夏小町'は園芸品種す。原種は繁殖力が非常に強く、米国では有害雑草として登録されています。鮮やかな黄色で、くるみボタンのように可愛いヘッド、真夏の時期も入手が容易との事で購入しました。今月は野草の趣のお花のリクエストがありお配りのお花の中に入れました。一本だけ手元に残しましたが、一週間は確実に綺麗な色と形が保てていました。ちょっとがさついた葉、なんとなく触った記憶があります。ジニアのようです。フローリストは時として植物の触感で記憶する事もあるんです。

水に浸かる葉はすべて取り除き、付きすぎた蕾も少し整理しましょう。花瓶の水を替える時に茎も切り戻しをかけ切り口をリフレッシュさせてあげましょう。

オレガノ ディクタムナス

地中海クレタ島原産のハーブ。dittanyというのは香りのするハーブ類の事で、「クレタ島の草」との意です。ライムグリーンの部分はガクで花はピンク色です。丸い葉は起毛して産毛がはえているようで、フワフワモコっとした質感です。乾燥に強く、色はそのままの状態でいつの間にかドライになっている植物です。丈は約20㎝~30cm前後、枝分かれしていますので上手に切り分けて使いましょう。小さなブーケに、あるいはアレンジメントに!

今回はシングルフレームに挟み込みました。ドライになる植物はこんな使い方もできます。

シペラス/パピルス

オーナメンタルグラスとしてお花の定期便用として入荷しました。エジプトからアフリカ大陸北部の湿地帯に分布しており、すらりとした三角の茎が涼し気です。世界には約600種類もあるとの事で、シュロの葉のようなシュロガヤツリも日本ではよく目にします。カヤツリグサ科は花粉症がある方はご注意ください。

リモニウム エバーライト

紫色で小さく、空間を埋めるフィラーとしてはとても使いやすい花材です。小さな花が枝分かれした先端につくため、切り分けて使う事ができるためアレンジメントにブーケに万能です。

ひと昔前はスターチスとよんでいましたが、現在はリモニウムと呼ばれています。萼片に色があり、ドライになっても色は褪せずに残ります。夏から初秋の花ですので、水が多いと茎がぬめりますので、できるだけ少な目に管理しましょう。

ヘリコニア プシッタコルム アンドロメダ

この種は約100種あり、南米の北部 フランス領ギアナ、ガイアナ、スリナム、ベネズエラ、コロンビア等が原産国です。今回のプシッタコルムのように細長い物からカニの爪のような形のもの、垂体して太い茎からつく物など見ているだけで楽しいです。茎は葉鞘が包みあってできている偽茎で、花茎は偽茎の中心から立ち、その頂端に多数の苞が2列に並んで付きます。実際の花は苞の中に包まれるように数個ずつ付きます。少しだけ巻き付いた苞を広げて見せるのもよいと思いますが、花はデリケートですのですぐに折れます。

トロピカルフラワーでいかにも暑さに強く見た目にも丈夫そうなのですが、意外にもデリケートで切り花にすると5日程度で色が変色してきてしまいます。

フロックス

ガーデンフロックス、宿根フロックスまたはオイランソウで流通しています。背丈は80-120cmまで伸びる夏のお花で、原産は北米の東側から中央部まで。7月から9月頃まで長く咲くようです。切り花ですと暑い時期にも一週間くらいは持ちます。ある程度開花が揃うととても美しいのですが、最初に開いた花から順次よく散りますので常時掃除が必要です。家の中でほのかな甘いがすると思っていたらこの花から優しい香りが漂っていました。

 

ヒマワリ/ヘリアンサス サンリッチFオレンジα

昨年使ったヒマワリは中芯が茶色で名前が'サンリッチライトオレンジ'。今回は同じサンリッチシリーズですが、中芯はグリーン、名前は'サンリッチFオレンジα’。年々改良が進んでいるのかFだのαだの、何かのサインとは思いますが何でしょうねと思うこの頃。

花は大型ではないのですが背は高く80㎝位あります。花の形もも色もはっきりしていますので、まとめて使い作品でのインパクトを狙ってゆきます。夏の時期は夏の花が良いですね!

北米原産、種は可食でき、種から絞ったおいるはサンフラワーオイルです。

向日葵は太陽の方向に向かって咲いていると言われますが、成長期に光に当たると光の当たっていない反対側の茎が伸び、太陽の方向に傾きます。でも日が沈むと今度は昼間とは反対側の茎を成長させます。生物の体内時計による現象です。ref: https://biome.co.jp/biome_blog_129/

スモークグラス / パニカム

花か、実物かどちらに該当するのか分かりません。北米原産のふわふわとしたオーナメンタルグラスで、花と花の空間に入れるフィラーとして大活躍です。葉の部分はたいていすぐに枯れますので、カットして使うとふわふわの部分が良く見えます。イネ科であるのでアレルギーのある人は要注意植物です。

ファレノプシス/胡蝶蘭 ミディタイプ

青みのある薄ピンク地に中心部のリップはショックピンク。ちょっと大人色のファレノです。紫色のお好きなマダムへのお花の中に入れました。

もともと東南アジア生まれのランの園芸品種です。花を扱う時のナイフはいつもしっかりと消毒をし、夏の時期は少しこまめに水替え&切り戻しをかけて下さい。暑さには強い花ですので一週間はお楽しみいただけると思います。