初夏

5月中旬~6月

マダガスカルジャスミン

筒状の先端が開き、そこから甘い香りを漂わせるお花です。かってはウェデイングブーケにとても人気で注文しないと入手できない高貴なお花でしたが、ありがたいことに今は鉢で出回っています。レッスンでは開花が間に合わずいかわいそうでしたがちょっと花びらを押し開けて中にビーズを入れました。ジャスミンと呼ばれますが、これは香りがジャスミンに似ているためで、ジャスミンのモクセイ科ソケイ属とは異なり、こちらはキョウチクトウ科シタキソウ属といグループです。アフリカ南東部の島、マダガスカル原産で蔓性の植物です。プラ鉢に入って売られている物は毎日かかさずお水をあげて下さい。水はけよく仕立てられているので、気を抜くとすぐに萎れてしまいます。

アンスリューム エンジェル

ちょっとサイズにバラツキがあり、また色も同様。あまり発色がきれいでない物を手元に残して観察しましたが、やはり長持ちしませんでした。本来は10日は楽に楽しめるお花ですが、ちょっと残念でした。やはり肉穂花序はつややかで、仏炎苞にしっかり色がのったものがよろしいようです。

アンスリウムは南米コロンビアやエクアドルの原産。暑さに強く独得な容姿が目を引き付けます。色のついたハートシェープの部分を仏炎苞(ぶつえんぽう・英語ではspathe)と呼び、中心部から出ている棒が密集した花が付く肉穂花序(にくすいかじょ・英語ではspadix)です。葉は濃いグリーン、尖った先端に向かって葉のボディが徐々に細くなっていく形ですが、花ともよく似た形をしています。花、葉も切り花としては非常に長持ちです。普段の手入れも簡単、少しずつ茎を切り戻すだけです。

バラ コーラルハート

今年の色の「ピーチファズ」が脳裏にあり、今回もオレンジ系です。ピンクの強い濃いコーラルオレンジ。本当に珊瑚の色ですね。開いてくると明るいオレンジがお目見えです。5月はバラが旬。葉も艶やかでとても良質です。その上沢山流通するため価格もお手頃になります。基本形のアレンジメントは花を多く使うため今がバラの使い時!

水に浸かる葉はすべて取り除き、茎を斜めにナイフで切ります。初日はやや深水にしてタップリ水を吸わせ、その後は花の長さの半分くらいの水で管理しています。大きな花や葉になるほど水は吸いますので、気温の高い日が続けば水の減りかたも早くなります。フローラルフォームを使っている場合は水を差してください。また小さなブーケホルダーはすぐ乾きますので、ラウンドのアレンジメントなどに作り替えてお楽しみください。

デルフィニウム セレーノライトブルー

ほしかったサイズより細目でしたが、かなりよいお花でした。色も強すぎず優しい趣です。花もちはジャスト1週間。どのデルフィも指で数えたように一週間です。北海道などの寒い場所で栽培されており、あまり暑い季節では長持ちしません。湿度があがらない今頃が使い時!

ラクスパーとも呼ばれ300種類もあります。北半球に自生する植物で原産地は不明です。アフリカのトロピカルエリアの高い山麓など冷涼な気候を好むとの事です。一つの茎に穂状に花が付くタイプと枝分かれしているスプレータイプがあります。属名のデルフィニウムは古代ギリシャ語でドルフィン=イルカを意味する言葉から派生。花がイルカの形に似ているとの事から来たようです。似てますでしょうか? 薬草としての利用があったようですが有毒植物です。

下葉をすっきりと整理し絶対に水につかる部分に葉が残っている事がないようにして下さい。水はこまめに替えその都度茎を斜めに切り戻して下さい。少しの手間で水がしっかりと花まで行き届き美しく保てます。

デンファレ サナンホワイト

国産のデンファレを探していましたが巡り合いませんでしたので、タイからの輸入ものです。まだ咲いていない蕾が沢山ついていますが、小さいため咲くのは難しいと判断。日が経って途中で蕾が黄色く変色する可能性が高いので残念ですがすべて切り落としました。ギフトにいれるお花でしたのでここは厳しく判断です。

原種系の蘭デンドロビウム・ギバナムの交配種。デンドロビウム ファレノプシスの流通名ですが、花の形が胡蝶蘭に似ている事からこのように呼ばれています。ref: https://www.aos.org/orchids/additional-resources/dendrobium-culture.aspx

ステムが長い蘭は水が先端まで届きにくく管理が難しい花の一つです。もし花が付きすぎている場合はトップの小さすぎる蕾を数個カット、あるいは下の花を1~2輪整理するといささか長く楽しめます。切り分けてアレンジメントに利用すればすべての花に水が行き渡りますので有効的な利用法です。その際はステムをアレンジする前に30分程度水を吸わせコンディションを整えると張りが戻りよい状態となります。せっかく巡り合えたお花、大切に最後まで飾ってあげたいと感じます。