春
春 3月~4月、5月中旬ごろ
春 香るお花の幸せブーケ
春 香るお花の幸せブーケ
リューココリネ アンデス
やっぱり暖冬なのですね。今の時期に非常に立派なリューココリネを手にしました。今回はインパクトのある紫と赤の複色。甘い花たちの中に入れて少し引き締め役として活躍してもらおうとの狙いです。芳しく甘い香りです。
南米チリ原産の特有種 芳香があり白、紫、紫に赤などの複色もあり。学名にあるLindl.は John Lindley 英国人の植物学者/蘭研究者(Orchidology)
スカビオサ イエロームーン
小花のブーケを作る目的で、小さめのお花で脇からの枝の処理がされてない枝を求めました。細いのでとてもデリケートです。上手く使わなければ折れてしまいそうなのですが、今回は春の弱い茎を扱う練習ですのでぴったりの花材でした。
地中海 ユーラシアの温帯から亜寒帯 アフリカ北部 西アジアにも分布。冷涼で水はけのよい土地を好みます。本来夏の花のようですが、日本の湿気は特に苦手で秋から冬の利用がお勧めです。最近は一年中栽培され季節感がなくなってきました。茎がとても長いため高めにポジショニングもできます。ブーケに入れるとどことなくワイルド感もありナチュラル感を求めるにはとてもいい花材です。アレンジメントでは花と花をつなぐトランジショナルとして活躍します。大きなサイズの物は目立ちますので注意しましょう。
英語名にmourningbrideとあり、気になっていましたので花言葉を調べてみました。紫のスカビオサは喪中の未亡人に送る花のようで、そのため喪中の花嫁=未亡人との別名があります。花言葉も寂しく悲しい意味がありました。
コデマリ
本来は暖かくなってから咲くお花ですが、1月のはもう市場に出回っており、今回初めて1月に購入しました。小ぶりの枝を選んでしまいましたが、枝分かれが少なく寂しい感じです。もう少し大きな物を入れればよかったと反省。
枝物の部類ですのでやや水揚げが悪いですが、丁寧に処理すると一晩で先端まで水が上がります。もし元気がないようでしたら、もう一度茎を切るか木槌などで茎の先端を軽くたたき深水で管理して下さい。花も葉も沢山ついているため他の葉の代用にもなります。長い茎を利用して動きのあるアレンジメントやブーケにしてはいかがでしょう。
ファレノプシス/胡蝶蘭 ミディタイプ
オレンジとピンクがほんのり感じられるベージュ。オーダのお品です。数輪しか花はありませんでしたが、小さなアレンジメントでしたのでこれでよいと思います。胡蝶蘭が一本入るだけでアレンジメントも上品に格上です。
小ぶりの胡蝶蘭の種類をミディと呼んでいますが、ミディタイプの胡蝶蘭には花の名前がついていない事が多いです。お花の名前は次回のリピート買いには非常に役立ちますのでぜひつけていただきたいものですが、品種改良が重なり色の出かたも多様で難しいのかなとも思うようになりました。今回のお花はミディタイプの中では中輪サイズ、同じ品種を数本合わせて主役になってもらいたいと感じる花です。
花があまりにも多く付きすぎている場合は、時々この花も水落ちする場合があります。下の花の数個カットし、茎をざっくりと大きく斜め切りし水揚げをしてください。このひと手間で違ってきます。お試しを!ナイフ・鋏は消毒してから使ってください。
英語ではモスオーキッド、蛾が羽を広げているような所からそのニックネームが付いたらしいですが、それにしてもエレガントな蛾ではないですか.....
ラナンキュラス ラックスアリアドネ
年末の入荷でしたので、ちょっと時期がはやいのか花全体に力を感じませんでした。お正月用のアレンジメントのオーダを承り、ご用意したお花です。パワー不足でしたのでサイドに入れて脇役で頑張ってもらいました。もう少し高品質ですと全体に使えたのですが、こうなると春を待つばかりです!
ラックス(Rax) シリーズは花びらが通常のラナンキュラスより少なく、一重咲あるいは少な目の八重咲で、見た目にも軽いお花です。ラックスシリーズは色も豊富でギリシャ神話からとった素敵な名前の品種が沢山あります。品種改良に携わった綾園芸さんの解説によると、花びらには光沢がありラナンキュラス+ワックスでラックスと命名との事です。今回はラックスアリアドネ、白地に中心がピンク外側に向かって白にグラデーション。開花が進むと色が薄くなるのが特徴で、数日すぎるとほぼ白です。その変化の過程も楽しいものです。茎のかなり下から枝分かれしている為、花のサイズにバリエーションがあり大変使いやすかったです。水はやや多めに管理し、給水フォームでアレンジする場合は水切れさせないようこまめにチェックをしてください。先端に行くにつれ茎は柔らかいためフォームを使うときは優しくお取り扱いです。
ラナンキュラス スラファト
定年退職を迎えた女性の方への贈り物としてオーダーを承りました。実は同じ歳、自分がもしもらう立場であったらどんな感じのお花が嬉しいかと考えました。何かインパクトが出るものが欲しいと思い、だったら赤い花!バラは比較的短命、だったらもっと長く楽しめるお花とあれこれ考えラナンキュラスの赤に絞りました。お仕事場が東京都府中市の鳩林荘の事務所。事務所の敷地にあるゆかりのグリーンを入れ、長年お疲れ様と思いを込めてお作りしました。お気に召されるとよろしいのです。花言葉は「あなたは魅力に満ちている」。これからも充実した日々をお過ごしください。
ラナンキュラスは西アジアからヨーロッパ東南部、地中海沿岸の原産。お手入れは花瓶の水替えの時に茎を斜めに切り戻す程度。花びらはデリケートですが、茎がしっかりした物を選べば、極めて丈夫です。
スプレーストック イエロースパークカルテット
どんどん新しい品種が出てきます。今回初めて使います。ストックは香りよい春のお花です。一つの茎に一つの花穂は背が高く後ろ側で松の近くに置きますが、今年は小さなアレンジメント用にスプレータイプを用意しました。とても幸せな香りです。今の時期、私は花粉によるアレルギーがもっとも少なく、お花の香りを存分に楽しんでいます。
花瓶の水を変えるたびに斜めに切り戻してください。葉は絶対に水につけないよう切りもどした時に要確認。フラワーデザイナーにとってはオールラウンドに使える優れたアイテムです。