春 3月~4月、5月中旬ごろ

シンピジューム ドクター

グリーンのお花が爽やかに感じる季節になりました。本来は春先に花をつけるお花ですが、大量に入荷がありお手頃価格でしたので購入しました。サイズも大きすぎずカジュアルに楽しむのにはちょうどよいかと思います。

シンピジュームはネパール、ミヤンマーや中国の山岳部の冷涼なエリアが原産です。春に花をつける春蘭の仲間で、一年中入手できますが、初冬から本領発揮する花です。優しい香りも楽しめる品種が多く、アレンジにも活け込みにも向きます。ファレノやシンピジュウム、ヴァンダなど立派な蘭類は大きな花が多く水あげも時間がかかるものです。花に元気がなくなってしまった場合は、下のフロレット数個を切り落とし、丈も短めにすると元気が出てきます。消毒したナイフで大きく斜めに切ると表面積が広がり水上りも早くなります。

カラー マニラ

苞の外側はくすんだライムグリーンで、内側はほんのりとピンク色のカラーです。サイズは小さめ。今回は小さなブーケを作るため丁度良いです。

すらっとした茎でモダンな雰囲気の花です。高めにアレンジしたい場合は太い茎を選びましょう。給水フォームに挿す時は、予め木の枝などで穴をあけておくとよいです。

カラーも一度水が上がれば浅水が相応しく、ご自宅では切り戻しをかけながら管理して下さい。気温が高くなるとどうしてもバクテリアの発生により茎が柔らかくなって傷むものがあります。もし水がすぐ汚れるようでしたら、すべての茎を点検して下さい。なかなか購入時にはその見分けもつかず難しい所です。モノによっては2週間楽しめるものもあります。

どの花のメインテにも言える事ですが、花瓶とハサミはいつもきれいにしバクテリアの発生を少しでも抑えましょう。

グズマニア

グズマニアはメキシコなど中米から南米の熱帯雨林原産の植物です。色がついている部分は苞で実際の花は小さいです。園芸品種としてのハイブリッドが流通しています。色は赤、黄色、オレンジやこのグズマニアのようにクリームにグリーンの複色も多くみられます。苞の間に水を貯めて水分を取るため厳し環境でも長く持ちます。暑さには強いのですが寒さは苦手です。葉の部分は美しく大きな花の代わりにもなります。

 

 

アキレア / ノコギリソウ / ヤロウ

とても小さな花が密集して茎の頭頂に散房状に付きます。セイヨウノコギリソウはヨーロッパ原産ですが、北米やオーストラリアなどでも野生化して広く分布が見られる植物です。コモンヤローと呼ばれ爽やかな香りがするハーブです。ちょっと短めに使ったほうが水落ちしにくいと思います。

水に浸かる葉を落とし茎を斜めに切ります。水替えの度切り戻すとよいです。

バラ パンテオン

普段あまり手にしない色合いです。今で言うニュアンスカラーで、グリーンかかったベージュ地にスモーキーなオレンジが中心から広がっています。名前から調べてみたら、アヴニール(ちょっとくすんだピンク)の枝替わりとの事。それほど長くもないステムですが、花にはしっかり感があります。葉をいつもより沢山つけた状態で保管してしまっていたため、途中水切れの症状が出ました。残念ですが短くカットして回復を待ちましたが、結局レッスンでは使えるレベルにはなりませんでした。短くして使う事が最初から分かっていても入荷直後の水あげは非常に大切で、気を抜いてはいけないという事です。

水に浸かる部分の葉はすべて落とし(気温の高い時、茎が長い時は葉3枚を残してすべて落とします)、ナイフで斜めに深く切ります。花瓶の水替えの度にナイフで茎の先端を切り戻します。茎をリフレッシュすると導管に水が渡りやすくなります。

 

カーネーション/ダイアンサス

優しいライムグリーン地に中心部にライトオレンジが集まる複色のカーネーションです。ニュアンスカラーの優しい色を探していましたので、このお花にしました。茎は細く節の間が長かったため、花の重みでが曲がってしまう花もありましたが、短く使う分には問題ありません。

カーネーションは節がありますが、切る時は節と節の間を斜めに切りましょう。花瓶で楽しむのでしたら水替えの時にまた斜めに切り戻すと持ちが違います。水に浸かる葉はきれいに取り除きましょう。

ウエストリンギア / ウェストリンギア

中間色に合わせる優しい色合いのリーフを探していたところ、この葉を見つけました。ウェストリンギアはローズマリーにも似ていますが、もっとソフトでややデリケート。ただ茎はフローラルフォームに刺さるくらい強いので扱いやすい植物だと思います。

乾燥に強い植物とありましたが、それは根がついている時の状態ですので、茎をナイフで斜めに切りしっかりと水あげします。アレンジした後も水は必要ですので補水してください。

バラ コーラルハート

今年の色の「ピーチファズ」が脳裏にあり、今回もオレンジ系です。ピンクの強い濃いコーラルオレンジ。本当に珊瑚の色ですね。開いてくると明るいオレンジがお目見えです。5月はバラが旬。葉も艶やかでとても良質です。その上沢山流通するため価格もお手頃になります。基本形のアレンジメントは花を多く使うため今がバラの使い時!

水に浸かる葉はすべて取り除き、茎を斜めにナイフで切ります。初日はやや深水にしてタップリ水を吸わせ、その後は花の長さの半分くらいの水で管理しています。大きな花や葉になるほど水は吸いますので、気温の高い日が続けば水の減りかたも早くなります。フローラルフォームを使っている場合は水を差してください。また小さなブーケホルダーはすぐ乾きますので、ラウンドのアレンジメントなどに作り替えてお楽しみください。

モカラ クリスティーンホワイト

モカラ’クリスティーンホワイト’は白地にピンクのスポットが入る上品な品種です。モカラは輸入でだいたい1週間もすると傷みがでてくるのですが、今回は気温も適温に近く、また品質も非常によいお花だったため10日は綺麗な状態でした。冬に使うより暖かくなってきた今の時期の方が良いのかもしれないです。

モカラはシンガポールにて、ラン科のアスコセントラム属、バンダ属とアラクニス属を掛け合わせて作られた育成種です。それぞれのよい所を取って生まれた品種ですので、色もよく日持ちもします。本来暖かなエリアの花の為冬の寒さはとても苦手です。暖かさを好むラン類、アンスリュームなどは適温で管理してください。水あげがスムーズですと一週間は花の色も褪せず楽しむことができます。この花は状態のよい物とそうでない物のギャップが大きいので確認が必要です。海外からの輸入は必ずしも上等なものばかりではありません。モカラを購入する時は花がくたびれて下向きになっていないかよくチェックしてください。上手く水が上がっていればハリがあり写真のように綺麗です。

蘭は一つの茎にいくつもの大きな花が付くため、飾っている途中元気がなくなってしまう場合もあります。そんな時は下の花2-3輪を潔く切り落とし、茎をナイフで斜めに大きくカットして新鮮な深水に入れて下さい。