<ミモザで祝う国際女性デー>
青空に映える春の黄色い花と言えばミモザアカシアの鮮やかな花が頭に浮かびます。このミモザに大きく関連するのが3月8日の「国際女性デー」です。「国際女性デー」は1977年国連で制定。女性の政治的権利と地位を認め活躍を後押しする事から始まり、近年では暴力などに対する反対運動や、持続可能な未来に向けてのジェンダーの平等など広く女性を支援する日として確立されています。3月8日はニューヨークで最初に女性の権利を求めた運動が起きた日。そして1917年ロシア革命中の女性たちの動きも大きく関連しています。それがイタリアやフランスから発した女性にミモザを贈る習慣がつながり、「国際女性デー」が「ミモザの日」として定着しました。
<ミモザの花>
ミモザアカシアとも呼ばれ、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称です。花は鮮やかなレモンイエロー、香水の原料ともなりほのかな香りも楽しめるお花です。原産はオーストラリア南部の乾燥地帯でアフリカにも分布が広ります。この植物自体も水分が少ないため乾きやすく、切り花としては非常に扱いにくい植物です。花は春先から咲きだしちょうどピークが2月下旬から3月。乾燥した時期となるためリースやスワッグなどドライフラワーで楽しむのが今のトレンドです。
ミモザという流通名は、オーストラリアからヨーロッパにこの植物が渡った時、ミモザと呼ばれていたオジギソウとそっくりだったため、そこから名をもらいミモザアカシアとして広まりました。オジギソウも同じマメ科ネムノキ亜科です。オジギソウの花はピンクなのですが、ミモザアカシアはその花の色を除いて花の付き方や葉の形がそっくりだったからだそうです。
数種類流通しており、それぞれの葉に特徴があります。
- 銀葉(ギンヨウ)アカシアAcacia baileyana、名前の通りシルバーグレーで、切れ込みの多い小さな羽状複葉が茎に付くタイプでもっとも流通量が多いです。
- パールアカシアAcacia podalyriifolia、色はシルバーグレー、丸葉ユーカリのような葉です。
- フサアカシアAcacia dealbata、緑色の切れ込みが深い大きな羽状複葉が付き、小さなオジギソウよりもむしろネムノキような葉を持ちます。ミモザという流通名の元となった品種です。英語ではmimosaよりもsilver wattleやblue wattleとよばれる事が多いようです。
<ミモザで贈る感謝や友情のメッセージ>
「優雅」「友情」「感謝」「密かな愛」や「秘密の恋」などが花言葉。ミモザの花束を贈るのはもともとはイタリアの習慣です。イタリアにもイギリス同様花言葉で想いを伝えるという事で、ミモザの花に日頃の感謝や愛を託して家族や恋人に花束を贈ります。3月8日この日は "FESTA DELLA DONNA" と呼ばれ花屋はミモザを販売します。
また、イタリアだけではなくフランスでも2月にミモザ祭りが開催されるとの事。イタリアに近い南フランスのコート・ダジュールにはミモザの花が咲き乱れる街道があります。「冬の太陽」などと呼ばれ、フランスでの花言葉は「安全」や「愛」。こちらでも身近な人へのプレゼントの花束としてミモザはポピューラなようです。ブルガリアやルーマニアなどは母の日に贈る花束となり、子供たちからお母さんやおばあちゃまへ贈る花束だそうです。ロシアでも男性が女性のためにお花を用意するとの事です。
「国際女性デー」でミモザアカシアの花がシンボルとなったのは1946年イタリアの政治家Teresa Matteiさんが、今の時期にどこにでも咲き誰もが親しみのある花を選んだとの事です。
2022年、今年のミモザアカシアの値段はなかなかの高値です。夏の暑さでミモザの収穫が下がってしまったとの事。でもやっぱり鮮やかかな黄色い花は気持ちを明るくしてくれますので使ってみたいお花ですね。皆さんもご家族に一束いかがでしょう。どこにも書いていないけど花粉症がある方はご注意くださいネ。
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ミモザは春の訪れ "FESTA DELLA DONNA" from Italy
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ref: https://www.un.org/en/observances/womens-day/background
ref: https://hanalabo.net/2018/03/05/about-mimosa/
ref: https://www.travel.co.jp/guide/article/42733/
ref: https://en.wikipedia.org/wiki/International_Women%27s_Day