マツ科マツ属

常緑高木。生命力が強いため、古くから長寿と繁栄を象徴する縁起の良い木。皇居や神社仏閣に多く植えられる。北半球に分布。

若松

お正月を飾るお花には必ず入れるのがマツの枝です。若松と呼ばれ黒松を3年位育てたものを用いられます。真っすぐに伸び脇から3本から5本位小さな枝が出ています。アレンジメントや活け花に入れたり、お正月の門松にしたりと多様に使われます。門松は平安時代末から「子の日の小松引き」などの行事を元に、鎌倉時代にかけて広まった習俗です。常緑であるので神聖なものとして扱われ、歳神様がその枝に宿り正月の依代とされるとされます。また悪霊や邪気の侵入を防ぐという事もあるようです。松の内とは松飾りを飾っている期間にあたり、その後はお焚き上げで小正月の頃に焼きます。

松の花は春4月~5月にかすかに松ぼっくりを感じるような少し赤実を帯びた薄茶色です。雄雌同株ですが、雌花が先端に付き、翌年秋に球果となります。

お正月頃に市場に出回る松はすべて10月頃から切り出され冷温室で管理されている物だそうです。理由は先葉が黄色くなってしまうため早めに切るとの事です。

ref: https://www.jugemusha.com/jumoku-zz-kuromatu.htm
ref: https://www.aoyamahanamohonten.jp/blog/2020/12/11/matsu/

コマツ 小松

今年入荷したのは枝は細めで動きの出やすい小松です。花瓶に飾る目的ですので蠟梅や白梅と合わせて華やかな空間にしたいと思いました。アレンジメントにも、ブーケにも万能です!ヨーロッパのデザイナーたちもクリスマスに好んで使っているタイプため、現地でも沢山分布しているのだと思います。

市場のタグにはコマツとだけありました。黒松との事です。松は二葉松と五葉松に分類され、二葉松は主に黒松と赤松。小松と似たような名前でヒメコマツという種類があります。こちらは北海道西南部・本州・四国、九州に分布する常緑高木の五葉松です。変種としてキタゴヨウPinus parviflora var.pentaphylla があり、北海道西南部・本州中部以北の寒いエリアに生育。別名はナガミノゴヨウと呼ばれ、葉は長くて硬く裏面が白っぽいとの事。そのほかの五葉松はヤクタネゴヨウ、チョウセンゴヨウ、ハイマツ、ヒメコマツとキタゴヨウを合わせて5種。
ref: https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/himekomatu.html
ref: http://www.niwagatari.com/?p=13878

ミヤジマゴヨウマツ

12月中旬から本格的に出回る松。お正月用の立派なよい松はすぐに売れてしまいますので、松市の日かその次の日には出かけなければなりません。今回は追加注文に対応するため急遽入荷したものですので思ったよりも小ぶりでしたが、根引き松(神様が根付く、成長する)という縁起物ですのでありがたく頂戴しました。存在感がありとても素敵な松です。

お手元にこの松がある方は、枝に節があるのにお気づきかと思いますが、まっすぐ伸びる黒松に五葉松を接ぎ木してあるそうです。

*お正月のお花はできるだけ早めにご発注お願いします。

五葉松

お正月には欠かせない松。シルバーグリーンの美しい松です。枝はやや細めで柔らかく葉の先もちくちくと痛くないので扱いやすいです。松の市は一年に一度。すぐに買い出しに行かないとよい松は売り切れてしまいますので早々に仕入れてきました。定番の若松と五葉松を買いました。今年は品質が良くないとの事前情報がありましたが、幸いにそこそこよいお品が入手できました。ヨーロッパではクリスマスアレンジメントに使う常緑樹の一つです。五葉松を使ったアレンジメント、また違った趣ですので今年はトライしてみようと思います。

マツ

欧米ではクリスマスの飾りに用いられますが、日本ではお正月の飾りに用いられます。盆栽などでも何百年生存というほど非常に生命力の強い植物です。手入れをすると美しいシンボルツリーとなります。水がなくても長もちしますが、やはり植物は保水をして楽しみたいですね。