7月~8月

リューコスペルマム

南アフリカケープの東側が原産。同じヤマモガシ科にプロテアがあり、プロテアの原産地とほぼ同じです。こんもりと茂り枝の先に花が付きます。木に着いたままにしておけば春から4か月もの間さきつづけるとの事です。花の形はユニークで、針が沢山刺さった針山のようで英語ではピンクッションという名前がついています。

学名であるリューコスペルマムは’白い種’という意味があります。これはその実が光沢がありスムーズな実が白っぽい色をしているからです。この実が熟成しはじけると種がこぼれます。蟻により蟻の巣に運ばれ火事などの天災あるいは捕食者から逃れているようです。

花の色はオレンジ、赤味が強いオレンジ、黄色もあります。カットフラワーとして人気で交配種が流通しています。丈も長くなりました。今回のも50㎝でずいぶん長いと感じました。

エルムレス

90㎝程にも成長する穂状の花で、ヒマラヤ西側、パキスタン、アフガニスタンからイランの比較的乾いた草原などが原産です。以前はユリ科に分類されていました。一本の太い穂に下から順次星形の花が開花しユリ科の甘い香りもします。黄色は鮮やかな色ですが、サーモンピンクの優しい色や白もあり、暑さに弱いデルフィニウムやユリ以外の背の高い初夏の花として頼もしい存在です。ヨーロッパの庭先でも一世に咲きそろった花群は一種類ひときわ目立っており、花言葉である「孤」ひとり他にぬきんでて高いこと、孤立しつつ自らの志を守るというイメージがぴったりの花です。

ミニパインアップル

南米ブラジル原産。ミニパイナップルとしてオーナメンタル(装飾)目的で流通。茎付で販売されていますが、ドライにすると2週間くらい飾っておけます。茎から実が真っ直ぐについているため、直線的なアレンジメントーヴァーティカルやパラレルに目を惹くアイテムとして使用できます。とても小さい紫色の花が実本体にいくつも付きます。

トリトマ / ニフォフィア

ニフォフィアもしくはクニフォフィア。赤、オレンジ、黄色、ライムグリーンにクリームなど様々な交配品種が存在する。70種類のニフォフィアの内47種が南アフリカ東部の湿地帯に分布。花は品種により冬であったり夏であったりと開花時期が違う。一部は食料となったり根が肺の症状に効く薬草としても扱われるようです。アロエとよく似た花であり、実際にアロエ類と特徴が似ている。

Ref: http://pza.sanbi.org/kniphofia-species

ガイラルディア

とても野草的でワイルドな趣の花です。米国のオレゴン州、ユタ州やコロラド州の乾燥した土地に広く分布。使用した時の気温にもよるのかもしれませんが、日持ちはしませんでした。ただ今回は乾燥に耐える植物のアレンジメントでしたので枯れた姿も自然な雰囲気が出てきますので、むしろ私にとってはよい材料でした。赤い花の品種もあるそうです。葉には産毛がはえているとの事、花は茎の状態での入手でしたので確認できませんでした。

Ref: https://www.wildflower.org/plants/result.php?id_plant=gaar
写真 https://www.wildflower.org/gallery/species.php?id_plant=gaar

リンドウ

リンドウは根が薬草として用いられ、とても苦い事から竜胆という字が当てられています。日本や朝鮮半島、中国に分布。約800種類もあるそうです。秋に咲く種が多いのですが、春から初夏にかけて咲くものもあるとの事。今回使った種類は茎が柔らかく曲がりくねったタイプです。花のサイズも小さくいつも利用する真っ直ぐなタイプとは異なります。ですが、やはりリンドウはリンドウ。花もちがよく約10日次々と開花してくれ目を楽しませてくれました。冷涼でやや湿り気のある土地を好むようです。

デンファレ シンガポールホワイト

原種系の蘭デンドロビウム・ギバナムの交配種。デンドロビウム ファレノプシスの流通名ですが、花の形が胡蝶蘭に似ている事からこのように呼ばれています。ref: https://www.aos.org/orchids/additional-resources/dendrobium-culture.aspx

南国の花ですので暑さには強いのですが、気温が25度を超える頃には水をこまめに替え、都度茎を切り戻してください。茎の色が変わったら水中のバクテリアが増えますので、色の変わった所から切り落とし短くしてしまいましょう。

アンスリウム ピスタシェ

南米コロンビアやエクアドルの原産。当然暑さに強く独得な容姿が目を引き付けます。葉は濃いグリーン、尖った先端に向かって葉のボディが徐々に細くなっていく形ですが、花ともよく似た形をしています。花、葉も切り花としては非常に長持ちの部類です。国産でトップクラスの花が入手できるようになりました。ありがたい事です。

色がついている所はブツエンホウ(仏炎苞)、花はツンと出ているニクスイカジョ(肉穂花序)の部分です。アンスリウムも様々な種類があり奥が深いです。