9月9日 重陽の節句 菊の節句

Webmaster2021/09/09(木) - 15:50 に投稿
古流 菊のお生花 重陽の節句

9月9日は重陽の節句とされ、日本でも5節句の一つとされています。古くは中国の習慣で、一番大きな陽の数が重なる事から「重陽」と呼ばれ、縁起よい日として季節の菊の花の香を移した綿で体を清め、菊を用いた料理やお酒で長寿を願ったそうです。尚、旧暦の9月は今でいう10月初旬から11月初旬の頃。菊が最も美しい時期でもあります。夜長月、長雨月(ながめつき)などとも呼ばれ、秋が深まり長雨から長月という名や、菊開月(きくさきづき)、菊月、紅葉月、稲刈月など植物の名が付く呼び方もあります。


日本の生け花の世界にとっても9月9日は大切な日です。菊の花のみでお生花(長さやなど詳細に決まりがある正式な形)を活け菊酒などを飲みお祝いをするそうです。以下古流松藤会の師範橋本理真先生よりご寄稿いただきました。

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重陽の菊
めでたい陽数が重なる九月九日。

古来中国ではこの日、菊の花びらを浸した酒を飲み、長寿を願いました。
『三国志』で名高い文帝は、7歳で即位したとき、15歳の命を予言されましたが、菊酒によって70歳まで生きたと言われています。

日本に菊がもたらされたのは、奈良時代の終わりから、平安時代の初めごろ。気品と香気ある菊は、端午の菖蒲と同様に邪気を祓い、また長寿を延ばすと伝えられてきました。

古流では、真に白・流に黄・受に赤の計九輪で重陽を表し、葉の色の青と、花器、花台の黒を合わせて五色とします。

白菊 ⇒ 真(しん) 真前 外添え
黄色菊 ⇒ 流(ながし) 外添え 埋(うずみ)
赤菊 ⇒ 受(うけ) 埋
赤菊 ⇒ 留(とめ)
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菊は中国から日本へ伝わり、天皇家の紋章として用いられています。菊は長寿と太陽を意味し代々の天皇が継承。身近な所では50円玉、パスポートなどで見られますね。

現在の菊は大きさも咲き方も豊富で、切り花としても抜群に長持ちするお花です。食用でも出回っていますので、酢の物にしたり、お酒に浮かべたり、あるいはサラダなどにも色と香りを添える事ができます。菊の花は難しい手入れも必要がないのでご自宅でもぜひ楽しんでみてはいかがでしょう。

きく Chrysanthemum
キク科キク属 Asteraceae
中国原産


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