インターフローラ ワールドカップ2023 花のワールドコンペティション Day3 ファイナル

Webmaster2023/09/20(水) - 15:10 に投稿

最終日の午前中は競技者の各ブースにコンペティター本人が立ち、一般の方々と交流をする機会があり沢山の質問があったとの事です。その夕刻はガラディナー(夕食会)があり、ステージ上では昨日のセミファイナリストの審査結果が発表され、10人から5人に絞られ、5名で最後の競技が始まります。

ファイナリスト5名
Hyunghak Kim, Republic of Korea 韓国
Elisabeth Pàlsson, Norway ノルウェー
Nicolaus Peters, Germany ドイツ
Patricia Aguin, Spain スペイン
Elisabeth Newcombe, UK イギリス

ファイナルのアイテムもブラインド(=サプライズ)です。今年インターフローラは創立100年となり、今までの100年間の自然や花々とのかかわり、そして今後の繁栄も願うように100年がコンペのテーマです。「100 years of connecting with nature.100 floral years, celebrating the past 100 years inspiring the future.」   競技は黒の窓枠のようなスタンドが用意され、そこには「100」というのサインがぶら下がっています。そのスタンドに制限時間内にディスプレイを作成する事が内容です。15分間のアシスタントによる花材のチェックが昨日と同じに行われました。ドレスアップしたコンペティター、ここまで上り詰めるトップ5は緊迫した時間の中でもとてもクールに見えます。

ファイナル 9月9日土曜日

タイトル ディスプレイデザイン '100 years of connecting with nature.100 floral years, celebrating the past 100 years inspiring the future.'
時間 45分 規定を読み、デザインをプランして作成
黒のスタンドに各自の花飾りを施す事。尚、100の文字が主となるようにする事。文字に巻きつけてあるライトをつける事。
用意されているフローリストの道具類 ケーブルタイ(結束バンド)、試験管12個、ペーパーカバーのバインディングワイヤー、デザイナーズコード ゴールド、アルミニウムワイヤー ゴールド、アグリフローラルフォーム(オアシス社から出ている環境に優しいフォーム)、グルー(ボンド)、両面テープ

審査の採点のウエィト
テクニック 28
アイディア 26
全体像の出来栄え 25
カラー 21

一人ひとり違うデザイン、そのデザインにより使うテクニックも異なるため、様々な花の置き方を見る事ができました。植物がこぼれ落ちるカスケーディングで、垂れ下がるようにアレンジしたり、縦に長いホリゾンタルであったり、ステムをクロスしてさらに何層にもレイヤリングをかけたもの、太めの枝を使ってのフレーム、また窓枠の両方に縦に添えるパラレルのフレーミングもあります。試験管は12個、花の補水もバランスよくどこにつけるかもテクニックです。点を取るには一つのテクニックでは足りません。いくつかのテクニックを駆使し、オリジナルのデザインを構築する事となります。フローラルフォームが植物でしっかり覆われている事も侮れないポイントです。審査員たちは別室に控えており、会場の様子は一切見る事も聞く事もありません。競技が終わるとネームカードやフラッグが取り外され審査が始まりまり、結果はディナーの後9:30pmに発表です。

用意された花
ヴァンダオーキットの根
リューコスペルマム ブライトオレンジ
パッションフルーツの蔓
グロリオサ
柳の太い枝
エルムレス 黄色
カラー 白
グズマニア 赤
スズメ瓜の蔓
ティファ(蒲の葉)
アマランサス オレンジ
クロコスミア
クレマチス 薄紫
3時の貴公子
リプサリス
カーネーション ピンク
クラスペディア
マム(菊)アナスタシア オレンジ
バラ ラヴェンダー
ニューサイラン
アンスリウム シロシマウチワ
アキレア等 

45分で作成された作品はそれぞれに素晴らしく、たいへん美しい仕上がりです。黄色やオレンジを使った選手が圧倒的に多かったです。これはやはりゴールドに輝く100にハーモナイズさせたもの、そしてお祝いという華やかな雰囲気が伝わる明るい色を選んだのだと思います。

結果
ワールドチャンピオン  Nicolaus Peters ドイツ
2位 Elisabeth Pàlsson ノルウェー
3位 Elisabeth Newcombe イギリス

3位のイギリスの選手はとても若いのですが、よく健闘しました。入賞した時はこちらまでも目が潤んでしまいました。私がイギリスでお世話になったLynda先生も審査員として画像に何度も写っていました。ご活躍でとても嬉しく思います。ファイナルや各ブースの様子はfbやInstaでみつけて下さい。お勧めはThe Florist magazineのfbに編集長が特別にブースの内部からクローズアップしたビデオが詳細です。

https://fb.watch/nag9D0jxZE/ ドイツのブース
https://fb.watch/nageuEfaJv/ 韓国のブース
https://static.xx.fbcdn.net/rsrc.php/v3/yY/r/vdlVw4XHnwl.png ノルウェーのブース

あっと言う間の3日間。自宅のモニターでオンライン観戦でしたが、とても有意義な日々でした。多くのデザイナーのワークショプも開催されていました。ご参加の方も楽しい時を過ごされたと思います。