9月9日 重陽の節句 菊の節句

Webmaster2020/09/08(火) - 17:13 に投稿
菊 マム 'アルバドロスブロンズ'

中国では奇数はよい数字で陽、偶数は悪い数字で陰とされ、9月9日は最も大きな奇数が重なる事から、「重陽」となります。この日は家から出て高い山へ登り菊の花の酒を飲み邪気払いをする日とされ、5つある節句の一つとなります。旧暦の9月9日は10月の菊の開花時期に当たるため、別名「菊の節句」ともよばれます。
 

<菊の渡来と発展>
菊は紀元前15世紀ごろの中国が起源、7世紀から8世紀の奈良・平安時代に日本に渡ってきました。宮中では秋の行事として菊を食し、酒に浮かべ健康を願う行事となりました。女官たちはその日の前日夜に菊のつぼみに綿をかぶせ香を移し、その「被綿(きせわた)」で体を撫で邪気払いをしたとの事です。江戸時代になると一般庶民にも広まり育種が盛んになり、大輪の菊の「菊合わせ」という品評会が行われるようになりました。

原産地の中国では不老長寿の薬草として扱われ、ノーブルな限られた人しか栽培できなかったようです。長寿と太陽を意味する高貴な菊は日本の天皇家の紋章として代々継承されています。
 

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活け花の世界では菊を使ったデザインが9月のテーマとなります。10年前のブログですがリンクをしておきます。
菊は香もよく大変長持ちするお花です。タイプも大きな一輪咲、枝分かれしたスプレー咲き、本当に小さく数えきれないほどの輪を付けるものまで多様化が進み年々新種が発表されます。海外でも人気で、今では沢山の交配品種が日本へ逆輸入されるくらいです。種類については下記ページで少しご紹介しております。
菊 マム 花形と咲き方・手入れ法 
菊 マム 品種の紹介 
進化する菊!マムいろいろ 2019 


9月の上旬では残暑も厳しく菊の季節には早いのですが、重陽の節句が来ると毎年そろそろ秋かなと感じます。皆さんも少しばかり秋の走りを菊の花と共に楽しんでみてはいかがでしょう。