花の色 白

ファレノプシス ミディタイプ

ミディは小さめのサイズの総称です。茎も花も小ぶりのため、今回のトライアルレッスンのお花の一つとして準備しました。小さな作品でしたらフォーカルに、大きなアレンジやブーケでしたらちょっと中心からずらして使うとよいと思います。チューブを使いエクステンションして利用するのもアイディアです。

単独で楽しむ場合は、茎が短いため花瓶に入れた時花の重みでひっくり返らないよう注意が必要です。花が多い場合はそれだけ水を多く必要とします。もし花びらに元気がなくなってくるようでしたら茎をシャープに斜め切りし、深水で管理してみて下さい。一番下の花を切り落とす、あるいは咲きそうもない先端のつぼみを切り落とすのも有効です。

トルコキキョウ ボヤージグリーン

うっすらとグリーンがのっているリシアンサスです。名前は'ボヤージュグリーン'ですが開花してしまえば白と言う感じです。しっかりとした茎、葉も肉厚で花数もそこそこありました。枝分かれも深い所からでしたので使いやすいと思い入荷。残念な事が一つ。水が濁り茎の中心部から腐ってきました。初めての事です。水替えは常時していましたが、ナイフや鋏をしっかりと消毒して管理してゆきたいと思います。

北米 ワイオミング州南東部、ネブラスカ、テキサス南部やメキシコなどミシシッピ川とロッキー山脈の間の草原地帯が原産。現地で咲いていた花はうす紫色、テキサス・ブルーベルという愛称で親しまれてきました。日本での交配が進み花はシングル咲き・ダブル咲き色も白、グリーンかかった白、クリーム、優しいオレンジピンク、優しい黄色、紫と白の複色があったりととても豊富です。気温の高い時期にありがたいお花です。よい物でしたら5輪も6輪も一枝につきますので華やかになります。アレンジメントにもブーケにも向きます。

水に浸かる部分の葉はきちんと処理をしましょう。小さなカケラでもバクテリア発生の原因になります。もともとは初夏のお花ですが、今は栽培により一年中入手が可能です。

スプレーカーネーション/ダイアンサス ラフィーネティア

カーネーションは昔からあるお花の一つ。スプレータイプは特にアレンジメントには使いやすく重宝するお花です。いつもはオーソドックスなタイプを選ぶのですが、今回は新品種に手が伸びました。豊富な種類の中でもアピール度が強く魅了されてしまいました。美しいのですが、茎は細く折れやすくもあります。日持ちも一般的なダイアンサスよりかなり短く改善していただきたい点です。

茎は節と節の間で斜めに切りましょう。先端につきすぎている蕾を落とすとすっきりして使いやすくなります。エチレンガスに弱いため、果物のそばには絶対に置かない事。アレンジメントに傷んだ花や葉がある場合は即処分してお手入れしましょう。

デンファレ シンガポールホワイト

’シンガポール’と名がついていますが、マレーシアで栽培されている輸入物です。2022年春から急激な円安のためこの花も高値となってしまいました。今回は茎は細身で上部にゆくにしたがって花の間隔があいているもので花数が少なく軽めです。本来はぎっしり詰まっているほうが切り分けて使う分にはよいのですが、長いまま使いたかったので先端が重くないものを探していました。ラッキーにもすぐ見つかりました。花数が少ない分水も落ちにくいのが良いですね。

原種系の蘭デンドロビウム・ギバナムの交配種。デンドロビウム ファレノプシスの流通名ですが、花の形が胡蝶蘭に似ている事からこのように呼ばれています。ref: https://www.aos.org/orchids/additional-resources/dendrobium-culture.aspx

カンパニュラ チャンピオンホワイト

カンパニュラはベルフラワーと呼ばれおおよそ2400品種もある大きなグループです。カンパニュラは下向きに咲く花が多い中、今回入荷のチャンピオンシリーズは真っ白でベル形の花が上を向いてくつハッピーな夏のお花です。枝分かれしている物も多く花数もたくさん。質もよくなりお得感あります。一つ一つの花は軽やかで、初夏の時期にさわやかさを運んでくれます。冷涼な気候を好むため栽培は東北地方が多いです。アレンジメントよりブーケ向きで、長いまま花瓶に数本かざっても素敵です。

花もちは約一週間、水につかる部分の葉はできるだけきれいにカットし、水替えの都度茎を切り戻しをして下さい。なお水につかっている部分が多いと傷みやすい花です。あまり深水にしないほうがベターです。

ref:  北海道大学 https://hosho.ees.hokudai.ac.jp/tsuyu/top/plt/bellflower/campanula/spp.html#spe

オキシペタラム / ルリトウワタ ホワイトスター

星のような形に咲く小さな花で、茎そして葉までもが全体に綿毛で覆われやわらかな触感です。以前はガガイモ科でした。切ると毒性の白い液が出ますがかぶれの原因となりますので気を付けて下さい。水色の花のブルスター、ピンクのピンクスター、そして白のホワイトスターがあり園芸品種です。ブラジル南部やウルグアイ原産、東オーストラリアに帰化している植物です。暑さにも強いため日本でもよく育ちます。高知県にある生産者さんの花ですが、今まで扱ったオキシペタラムでは最高品質です。リピ買い間違いなしでマイリスト入り!

水あがりが悪い植物ですので湯あげがお勧めなのですが、こちらの生産者さんの花は全く問題ありませんでした。流通の進化もあるのでしょう。

 

マトリカリア ダブルラテ

マトリカリアはシングルベグモという花びらが一重のモノは初春からよく見ますが、ダブルラテは小さな花びらがたくさんついており中心部にある筒状花/管状花の部分が小さいのが特徴です。バルカンやコーカサスなど西アジアが原産。一本の枝に沢山小花が付いていますがアレンジメントやブーケに入れる時は小さすぎる蕾と葉を処分しながら使いましょう。花粉もシングルベグモのタイプほど飛ばないような気がします。花もちは気温にもよりますが6月は約1週間程度。本来はもっと長く持つはずです。水あげしている時は絶対に風に当てないように。実はキク科に強いアレルギーがあるため外に出していましたが、あいにくその日は風があり水があがるどころか反対に首が下がってしまいました。ラップするひと手間かければよかったと反省デス。

薬草としての利用も多く、歯痛、関節炎 、頭痛や熱の緩和などに用いられていました。キク科独特の香りがあります。

カラー クリスタルブラッシュ

すらっとした茎、なかなかモダンな雰囲気の花です。高めにアレンジしたい場合は太い茎を選びましょう。給水フォームに挿す時は、予め木の枝などで穴をあけておくとよいです。今が出荷のピークかと思われます。値段もお手頃になってきました。なおこの品種は茎をカーブさせる事ができる品種です。もしカーブしたデザインに使いたい場合は水揚げを少しの時間にすると柔らかく扱いやすいです。尚、多品種の白いカラーは曲げようとしても途中から折れますので注意が必要です。

カラーも一度水が上がれば浅水での管理がよろしいです。ご自宅では切り戻しをかけながら管理して下さい。気温が高くなるとどうしてもバクテリアの発生により茎が柔らかくなって傷むものがあります。もし水がすぐ汚れるようでしたら、すべての茎を点検して下さい。なかなか購入時にはその見分けもつかず難しい所です。モノによっては2週間楽しめるものもありますので、今後もじっくりと生産者さんを探すことにします。

どの花のメインテにも言える事ですが、花瓶とハサミはいつもきれいにしバクテリアの発生を少しでも抑えましょう。

カラー(海芋)の種類 http://fdb.jp/hidaka/node/120

バラ アルヌワブラン

毎回タイミングよく発見できないバラですが今回は運よく巡り合えました。ライムグリーンがかった外側に内側がラブリーなピンク。迷う事なく入手です。

最近はバラの棘を取らずにそのまま花瓶に入れる花屋さんもいらっしゃいますが、花瓶とハサミを常時清潔に保てば、それほどの水の汚れ(バクテリアの発生によるもの)はなくトゲを処理した時とあまり変わりません。レッスンの時に手に触りそちらのほうが気になります。優秀なバラの棘トリもあり茎を傷つける事なく葉と棘の処理ができますので、やはりきれいな状態でお店に出すほうが扱いやすいと感じます。

セイヨウテマリカンボク/ビバーナム・スノーボール

流通名はビバーナム・スノーボール。こんもりと花が密集して若枝の先につきます。蕾の状態はライムグリーン、開花が進むと白になります。ガマズミ属の植物の花は白やピンクが多く香る物もあります。花が終わると赤い実をつけます。しかしこちらのV.ロゼウムに関しては実はつきません。ブーケなどにいれるとふわふわと揺れ爽やかなライムグリーンの色と共に初夏を感じさせるお花です。水揚げがやや難ですが、上がれば長持ちしてくれます。小さな花は茎が柔らかくアレンジメントには扱いにくいです。